「はい、烏龍茶」

「あ、ありがとうございます…!あ、お金…」

「いや、いいよ。百円なんてもらっても困るし」


先輩は自販機の横のベンチに腰掛けると、買ったばかりのコーラを開けて一気に半分飲み干していた。

ただそれだけの仕草でもなんだか色っぽくてドキドキしてしまう。


「座らないの?」

「え…!?私なんかが先輩の隣に座るなんてそんな…」

「あはは、何それ。いいからこっちおいでよ」


ちょいちょいと手招きをされて、恐る恐る先輩の隣に腰掛ける。


「宮本さんみたいな子がこういう合コンみたいなの参加してるの意外だなって思ったんだけど、彼氏募集中なの?」

「え、いやいや!私はただ人数合わせで呼ばれただけで…」

「あ、そうなの?無理してずっと笑ってたから気になってさ。なんだ、人数合わせなら俺と同じだね」


にこっと微笑まれ、慌てて視線を逸らす。

先輩とは一度も話せていなかったけど、気にかけてくれていたんだ…。


「そういえばバドミントン、宮本さんめっちゃうまかったけど部活とか入ってた?」