「あーダメダメ。こいつも言ってたけど、あくまで輝星は数合わせと場を盛り上げてくれるからってことで呼んだだけだから」

「もーさすがに私たちだって知ってますよ〜。輝星先輩に超可愛いカノジョがいるってことくらい!」


え?と思わず聞き返してしまいそうになり、慌てて口を押さえる。


「えー、一年にも知られてるんだ。なんか恥ずかしいな」

「こいつ、学年一のマドンナと付き合えるなんて超幸せ者だよなー。なんて言ったって、小さい頃から一緒にいた幼なじみ同士なんだもんな!」

「はは、やめろよなー」


口では嫌がっているものの、笑顔が浮かべられていて先輩は満更でもなさそうだ。

人気者の美男美女で、小さい頃からの幼なじみで、そんなの最高の主人公ではないか。

一瞬で恋に落ち、一瞬で失恋をするなんて私はただのモブキャラAだ。いや、登場すらできていないだろう。


…なんて虚しいんだ。


「で、どこから行く?今どこ行くかって話しててさー」

「あーこんだけ広いと迷うよな。とりあえずあっちのコートいかね?バレーもできるし、久しぶりにバドミントンとかもやってみたいかも。ナツは男バレキャプテンだし、ナツ対その他七人でいいかもな」

「うわーひどい。さすがに手加減するって」