「うん。付き合おっか」


きっとこう言うから。


朱莉と付き合い出しても日常は何も変わらなかった。

息苦しくてつまらなくて、こんな毎日がこれから先ずっと続いていくのかと考えると吐きそうだった。

朱莉とは成り行きで付き合ってしまったけど、それでもデートをしたり高校生らしくスキンシップもしたりとそれなりに順調な付き合いをしていた。

兄貴は俺たちが付き合っていると知っても少し驚いたくらいで、朱莉への気持ちにやっと気づいたとかそんな素振りは一切なかった。

最初は冷やかしてきた周りも今はだいぶ落ち着いてきて、俺はなんのために今も付き合い続けているのかわからないでいた。


「頼む、輝星!一年の女の子たちとラウンドワン行くんだけど、盛り上げ役として来てくんねぇかな?人数が一人足りないんだよ」

「えー、一年?」


正直後輩と関わるのはもっとめんどくさくあまり乗り気ではないけど、必死にお願いをされたからには渋々了承するしかなかった。


「え?ラウンドワン?行ってくれば?」


一応付き合ってはいるわけだし、女子のいる場に行っても大丈夫かと朱莉に聞きに行くとあっさりと了承されて面食らう。

もし行くなと言ってくれれば、朱莉が嫌がってるからと断れる理由になったのに、これじゃあ行くしかない。


仕方なく少し遅れてラウンドワンに着いた頃には、もうみんなそろっていてどこに行こうかと話しているところだった。