全体的に顔面偏差値の高い先輩たちに恵美ちゃんたちが楽しそうに相槌を打っている中、その光景を後ろの方で影になりながら眺める。

恵美ちゃんたちがあんなに必死に今日行きたがっていただけあって、彼女なしだというのが嘘のように三人の先輩たちはみんなイケメンでコミュ力も高いし普段だったら絶対に関わることのないような人たちばかりだった。

その先輩たちに少しでも釣り合うようにか、いつもよりもメイクを少し濃いめにしている恵美ちゃんたちはアイドルを前にしたファンといった感じで可愛い。


それに比べて私はいたっていつも通りで、なんだか一人だけ浮いてる気がする…。


「凛花は何やりたいー?」

「…えっ」


肩までの内巻きにしてある髪を指先でいじっていると、ふと恵美ちゃんに質問を振られ、みんなの視線が一気にこちらに向けられた。

えっと…これはなんて答えるのが正解?

高校では入らなかったけど、中学の頃にバドミントン部に入っていたからバドなら人並みにできるけど…多くても四人でしか遊べないしこの提案はなしだよね。

みんなで遊べるとなったらバレーかバスケとかだろうけど、経験者がいたらチーム分けが難しくなってしまうかな…。


「おーいたいた。ごめん、遅くなったー」


なんて、必死に頭を働かせていると、後ろの方からやってきた男の人にみんなの視線は一気に移った。


「輝星!おまえおせぇよ!後輩ちゃんたちが待ちくたびれてんぞ」