先輩のカノジョ

私はというとさっきから謎の緊張で全然食事が喉に通らない。

バレることはないだろうけど、やましいことを隠しているのは事実でいざ本人を目の前にすると目すら合わせられない。


「えっと、三人は…仲が良いんですね」


この空気に耐えられなくなり、気づいたらそんなことを口にしていた。


「まあなー。こいつらとは年が一個しか変わんないだけで生まれた時から一緒にいるし、中学まではずっと一緒だったから。高校は俺の方がちっと上のとこ行ってるけど、今でもこうして会ったりはしてるもんな。でも聞いてよ宮本ちゃん。こいつら付き合いだしたから俺だってそりゃ気遣わなきゃいけないじゃん?それがめんどくさいのなんのって」

「はー?嫉妬ですかー?私が選んだのが快斗じゃなくて輝星でごめんねー?」


ずきりとなぜか私がダメージを受けていて、大袈裟に悔しがる快斗さんに笑うことで精一杯だった。


それから昔話に盛り上がり出した三人に、自分から話題を振っておいて失敗したなと密かに落ち込む。

出会ったばかりの私なんかよりも小さい頃から先輩をよく知る朱莉さんと、こんなにも差を感じて勝手に傷ついて。

美人なだけでなくて明るくて、笑顔が似合う人で先輩とこれ以上お似合いの人なんて存在しない。

私のちっぽけな行動なんてなんにも意味がない。


「宮本さんは幼なじみとかいないの?」

「…え?」