最近駅前にできた若者の集う場所、ラウンドワンはたしかに魅力的ではある。

私も友達ができたら行きたいと思っていたし、恵美ちゃんたちと行けるなんてこの上ない幸せだ。

しかし知らない男子、ましてや先輩もいるとなると話は別だ。


「私がいてもきっと盛り上がらないと…」

「大丈夫!奇数だと色々不便じゃん?新しい出会いだと思ってさ、お願い!」


…つまりは、人数合わせ要員ということか。

まあここでしつこく断り続けても、ノリの悪いやつだと思われてこれから話してくれなくなったらと考えると怖いし行くだけ行くか…。


「…うん。いいよ」

「本当!?凛花ありがとうー!」


また思ったことを口にできることはなかったけど、恵美ちゃんたちの嬉しそうな笑顔にこの選択で正しかったのだと思った。



…やっぱり来なければよかったかも。


「何からやるー?」

「はーい、バレーとかやりたいです!」

「ええ、男バレキャプテンのナツがいるからバレーなんてやったら俺たち手も足も出せねぇよー」