先輩のカノジョ

「ごめんごめん。慌ててる様子の凛花が可愛くて面白いから、ついね」


靴箱に向かいながら、まだ思い出し笑いをしている先輩に頰を膨らませてぷいっと顔を背ける。


不思議なことに、先輩といる時はまだ緊張してうまく話せないけど、それでも思ったことをそのまま言うことが無意識にできていた。

怒りのままに言葉をぶつけたり、態度で表したり、誰かに対して気持ちのままに行動できたのは先輩が初めてだ。


「りーんか。まだ怒ってるのー?」


ぷにぷにと先輩に頰を突っつかれてハッと我に返る。


「…怒ってないです。ただ、私…誰かに思ってることを話すのって苦手でいつも作った私でいるから、先輩の前だと素でいられるっていうか、なんか不思議だなって考えてただけです」

「え?」


きょとんと先輩は目を丸くして立ち止まった。


「…本当はこんなことしちゃダメだってわかってるし、柄じゃないけど。それでも、私が唯一自分らしくいられる場所は先輩の隣なんだなって、そう思ったんです」


先輩に向かって優しく微笑む。

だから私は先輩のことがどうしても手放せなくて、ほしいと願ってしまうのかもしれない。