「そうだよねー。でも凛花なら可愛いしすぐカレシとかできちゃうよ!」


恵美ちゃんの励ましに笑うことが精一杯で、先輩の顔なんて見れなかった。



放課後の図書室はテスト前だからか、まあまあ混んでいる。

一番端っこの後ろが壁になっている四人掛け席に腰掛け、鞄から教科書を取り出す。

ついていることに隣は空いていて前には仕切りがあるし、最高の勉強場所を確保できた。

ノートを広げてとりあえず今日習った数学の復習でもしようとシャーペンを取り出したところで、隣に誰かが腰掛けてきた。

もう少しこの一人の空間を堪能したかったけど、人が多いしそんな贅沢は言っていられない。


「…っ!?」


ふと誰が来たのか視線を隣に向けると、頬杖をつき私をじっと見つめていた輝星先輩と目が合った。


「な…っ」


思わず大声を上げてしまいそうになり慌てて自分の口を押さえると、開いていたノートにペンを走らせ先輩に見せる。

“なんでここにいるんですか!?”

先輩は私の一文にくすりと笑うと、その下に返事を書いてきた。

“勉強しにきただけだけど?”