ここはマルバルトの屋敷。そして、美鈴たちのために用意された部屋である。
 美鈴とミィレインとファルスは、ドラバルトがくるまで話をしていた。

 「本当に、遅い……どうしたんだろう」
 「確かにな。話すことがそんなにあるのか?」
 「……もしかしてだけど。マルバルトとドラバルトって親子ニャのかも」

 そうミィレインに言われ美鈴とファルスは首を傾げる。

 「その根拠はあるのか?」
 「うん、アタシは物や人を見分けるのが得意ニャの。それで、さっきマルバルトをみた時にドラバルトと重ニャったのよ」
 「重なったってどういう事?」

 美鈴は不思議に思いそう問いかけた。

 「んー……どういう事って聞かれても、説明が難しいのよねぇ。とにかく、みた対象物がどういうものかを見分けられる感じかニャぁ」
 「そうなのかぁ。それなら色々なものをを見分けられるね」
 「だけど全部じゃニャいのよね。分からない時もあるから」

 そう言いミィレインは、美鈴とファルスをみる。

 「なるほど……だが、それがあれば何かあった時に役に立つ」
 「そうだね……ファルスの言う通り、その時はミィレインにお願いするかな」
 「まぁ別にお願いされても、構わニャいわよ」

 それを聞き美鈴は、ニコリと微笑んだ。
 するとノックされ扉が開いた。そこから使用人の女性が入って来て美鈴たちのそばまでくる。

 「旦那様がお呼びですので」

 それを聞き美鈴たちは頷いた。
 その後、美鈴たちは使用人の案内でマルバルトの仕事部屋に向かう。

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 ここはマルバルトの仕事部屋。
 美鈴とミィレインとファルスは、使用人の案内でここに来ていた。
 そしてマルバルトとドラバルトと共に話をしている。
 ドラバルトとマルバルトは、親子であることを美鈴たちに明かした。

 「じゃあ、ウチ達がここに来た時から気づいてたんですね」

 そう美鈴に聞かれマルバルトは、コクリと頷く。

 「ああ、だがゴライドル達が居たから分かっていても口に出せなかったのだ」
 「そうなのかぁ。なんか色々と大変みたいですね」
 「うむ、それはそうと。闘技大会なのだが、開催を許可する。それで、この中ではドラバルト以外に誰が出る?」

 そう問われ美鈴は首を横に振る。

 「ウチはいいかなぁ……こういうの苦手だし」
 「そうか、それなら仕方ないな。それで……確かファルスだったか、どうする?」

 そうマルバルトに問われファルスは首を傾げた。

 「聞きたいのだが、その闘技大会とはなんだ?」
 「はて? 冒険者なら知っていると思ったが、そういう事には無縁の場所にいたようだな」
 「はあ……まあ、そうだな。大会と云うもの自体しらない」

 それを聞きマルバルトは、ファルスに詳しく説明する。

 「……なるほど、それは面白そうだ。是非参加したい!」
 「うむ、数は多い方がいいからな。あとは里中に知らせなければならん。それと開催は、三日後にしようと思うが問題ないか?」
 「父上、俺は問題ない」

 そう言いドラバルトは、ニヤリと笑みを浮かべた。
 ファルスも「大丈夫だ」と言い、やる気満々である。
 そしてその後、美鈴たちは闘技大会のルール等を聞いていたのだった。