ここは竜人の里ドドリギアの船着場。
 美鈴たちが船着場を出ようとすると、三名の竜人に静止させられた。

 「お前たちは何者だ? それになんで竜人を連れて歩いている!」

 赤紫で三つ編みをした男性に、そう問いかけられる。

 「……もしかしてゴライドルなのか?」
 「なんでオレの名前を知ってるんだ?」

 そう言いゴライドルは、ジーッとドラバルトをみた。

 ゴライドル・バルデン、年齢不詳。因みにドラバルトの幼馴染である。

 そう問われドラバルトは、名乗った。

 「俺だよ! ドラバルトだ」

 それを聞きゴライドルは、疑いの眼差しをドラバルトに向ける。

 「おい、ふざけるなよ! ドラバルトは、何千年も前に死んでるんだ」
 「そのことについては、事情があってな……」

 そう言いドラバルトは、今まで何があったのか説明した。だが納得してもらえない。

 「もし本当のドラバルトなら……」
 「なあ、ゴライドル。嘘を言っているようにもみえんのだが」

 銀色の長い髪の男性はそう言いドラバルトを見据える。

 この男性はセルジギス・アバル、年齢不詳。まぁドラバルトよりは若いのだろう。

 そう言われゴライドルは悩んだ。
 そう本当はドラバルトをみた瞬間に、もしかしたらと思ったからだ。
 だが死体はみていないにしろ、死んだ者が生き返る訳もない。ここに居る者は、似ているだけで別人だ。
 そう言い聞かせていたから余計にである。

 「んー……なぁゴライドル。それならさぁ、闘技大会で証明したらいいんじゃないのか」

 青で短い髪の男性はそう提案する。

 この青い髪の男性はガセドラグ・ドベラ、年齢不詳。この三人の中では若い方だ。

 そう言われゴライドルは考える。

 「確かにその方が、本物かどうか分かる。本当にドラバルトなら、オレたちに余裕で勝てるからな。だが里長に聞かないと無理だ」
 「ゴライドル……どのみち里長の所に、この者たちを連れて行かないと」
 「確かにセルジギスの言う通りだ。それから判断してもいいか」

 そう言いゴライドルは、美鈴たちを順番にみた。

 「……あくまでも、本物だと理解してくれんのだな。まあいい……それならば、大会が受理されたら……それを証明するまで」

 ドラバルトはそう言うと、ニヤリと笑みを浮かべる。それと同時に、ゴライドル達三人を凍てつくような眼差しでみた。

 「まあいい……全ての判断は里長に任せる。……ついてこい!」

 そう言われドラバルトは一瞬ムカついたが、なんとか堪えゴライドル達のあとを追う。
 その様子をみていた美鈴とファルスとミィレインは、複雑な気持ちであとを追いかける。
 そして美鈴たちは、里長の屋敷に向かったのだった。