最恐の本性と愛の化皮

ホラー・パニック

明日翔/著
最恐の本性と愛の化皮
作品番号
1745829
最終更新
2025/02/19
総文字数
2,663
ページ数
1ページ
ステータス
完結
いいね数
0
私は小学生の頃から音楽学校に通っていた。現在も音楽は本気でやっているし、音楽の影響で鬱になることも多々あった。

大学2年生になる前、冬、試験期間。1番誰かに縋りたくなる季節だ。友人もライバルという曖昧な関係だし、出会いも一切なく、何か心の拠り所が欲しいと思い、彼氏を作りたくなった私は、真面目な男性が集う出会い系アプリをインストールした。マッチし易いよう、自己紹介の部分に、某大学名、趣味等を細々と書き込んだ。何人かマッチした方とトークして、その中で1人選んだのは、賢明かつ優しく、チャットのみでも容易に想像できる位、とても素敵な人だった。何週間か、こまめに話し、画面の中だったが、少しずつお互いが分かるようになってきた。褒め言葉も多く、お互いがお互いを尊敬して頑張れる仲になれそう、と舞い上がった。ただ少し、返信が早すぎる事だけに違和感があったが、他は全く気にならなかったので、通話して、相性を確かめるついでに、もっとお互いを深く知ろうということになった。

通話の約束をしたのは18時丁度。私は少し遅くなるだろうと思い、リビングでのんびりしていた。17時59分59秒を過ぎたその瞬間、待ってましたとも言わんばかりに、着信音が鳴った。
相変わらず「こういう所」は鈍感なので、通話を楽しみにしてくれていて、時間にルーズではない人だと思って、とびきりの笑顔で電話に出た。

「もしもし…Kさん、初めまして!」ときちんと名乗り、挨拶した。初めて聞く声は、自分が想像した通りだった。少し低くて、心地よくて、この人と話したら、寝るのも惜しくなるくらい、楽しいんだろう…

「もしもし、Aちゃん。君音大なんだよね?家族構成は?」

一気に切り立った崖から突き落とされた気分になった。電話になるなり、結婚にあたっての個人面接が始まった。

そして私が錯乱している間にどんどん尋問が始まった。もはや、面接と言うより、事情聴取されている被疑者の気分であった。

気のせいかもしれないが、紙にペンを走らせる音が微かに聞こえた。後ろでもしかして…彼のご両親が聞いていると思ったら目が回って仕方なかった。

聞かれた項目は、主に学歴(両親込)、習い事の有無、趣味、子供、挙式はいつにするか。

最後で目を丸くした、画面の前の貴方の顔が容易く想像できます。実は、自己紹介欄
あらすじ
マッチングアプリで出会ってしまった、ナルシストでモラハラ気質の彼。トークをして話している時は優しく、しかも聞き手であったものの、通話したら、相手の性格は色々な意味で「ウラハラ」なことばかりで…。そういった彼、彼女を掴まない為の、ミニモバイル説明書です。

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