最強様

ことの始まりはこの本だ。

僕は散歩中にこの本を拾った。
散歩といっても小さい庭を歩くだけだが。

僕はまあ、一般的に言う「引きこもり」だ。
中学生の頃にいじめられてそのまま不登校になり、家にこもって1日の大半を過ごす。
外に出る機会は、空気を吸いに庭を歩く程度しかない。

そんな僕がある日、庭の花壇の中に見知らぬ本が落ちているのを見つけた。
普段アニメしか趣味のない僕にとっては、これはものすんごく唆られる出来事だった。
何に唆られるかって?
そんなの決まってる。
じっくり読みたいじゃないか。


僕はその本をそっと拾い上げ、土をはらい、表紙を見る。
一応確認しなきゃ。
親のだったらつまんないし。

よし。
親のではなさそうだ。
というより、日本語じゃない。
何語だ?

めくって見る限り、英語っぽいが、、、読めない。
英語は昔から得意なんだがな、、、


見た目もとても古く、表紙は何やら皮でできている。


とりあえず自分の部屋に持っていこう。


部屋に入り、ベッドに仰向けに転がる。

ひと伸びしてから改めて表紙を見る。
よーく見ると、右下に何か文字が書いてあった。

んー何語だ?

さっきも思ったけど、、、
英語みたいなんだけど、なんかちょっと違うなー。
待てよこれって、、、

あ!
昔の英語じゃない?!


早速調べてみた。
どうやら予想通り昔の英語のようだ。
通りで読めないはずだ、、、


ってことはだ、
この本って相当古いものじゃ、、、??
え、まじかー。
僕ってば、すごいものを発見しちゃったぞ、、、

よし。もう少し探って見るか。

早速開いて中を確認した。
最初のページが何枚か破られていた。
そして残ってるページには、なにやら辛気臭い魔法陣のようなものが書いてある。
読めない文字がびっしりだ。



っ!!



なぜかはわからないが、とても怖かった。
恐怖を感じた。

気味悪っ、、、。
何なんだよこれ。
怖いなー。


なんか魔法関連か、、、?
わからん、、、。

でも、とりあえず、手を出しちゃいけないものだと感じる。
そんな気がした。



その日は、それ以上調べなかった。

人の「感」は侮らない方がいい。
僕は昔から、いつも自分にそう言い聞かせていた。
今回もそれが生かされ、守られたのかも知れない。