「ずーっと気になってたんですよね。」

えーそれ聞いちゃう??

「早く答えてください。」

あ、はい。すいません。

それがねー。
この最強様にも好奇心というものがあってね。
井戸があったら入りたい的な?
やっぱり井戸ってどこまで深く掘ってあるかわかんないじゃん?
底がどこか知りたいじゃん?

ってことなんだよ。

ね?

「いや、ね?じゃなくて。
なんで井戸なんかに捕まってるんですか笑。」

えーっとね。
やったー井戸だーって思って飛び込んだら案外浅くて、
すっぽりハマっちゃったんだけどさ、抜け出すのがめんどくさくてね。
まあ2日くらいはここで休もっかなーって思ってたところなんだよ。

「まあ、最強様の自由だから別にいいんだけど。」

あでも、ちょっと腰が痛くなってきた頃だから

手貸してー

「えー、もー。
特別ですよ。」

ういしょっとー。

はー腰が伸びたー!羽が生えたー!

「最強なんだったら魔法使って出れないんですかー。」

え?
そんなこと
できるに決まってんじゃん。

「え」

だって魔法使って出るとどうしても、井戸に魔力がついちゃうんだよ。
井戸は井戸のままでいて欲しいからね。
使うわけにはいかないんだよ。

「あーそう、、、
もうなんでもいいや。」




井戸から出たついでだけど、
ここまで私の話に付き合ってくれてありがとう

「なんですか急に改まって。」

それがさー
こんなふうにちゃんと話すのって久しぶりだなーって
かれこれ10年くらいはまともに話してなかったからね。

いやー話すのって楽しいね!
ほとんど自分のことしか話してないけど。

「え、あ、そうですか。
それは良かったです。」

でさ、なんでこんなこと信じてくれるの?

「、、、それってまじの質問ですか?」

そうだよ。
まじの。

だって、この世の中においてこんな話信じてくれる人いないし。
普通に考えておかしいって思うでしょ。

「それはまあ、そうですけど。
この本を手に入れた時から、いやその前から、もしかしたらって。
こういうものの存在を知りたいってずっと思ってました。

なので、今ハンナの話を聞いて、すごくスッキリしたというか、はっきりしました。」


嬉しい!!
すごく嬉しい!!

良かったら私の助、、、「でも、、、でもですよ!

魔法の存在はわかりましたが、結局最強ってこと証明できてなくないですか?」