「だけど、噂で聞いたよ。女の子と付き合っ
たとか」
噂で聞いたのだ。
それはそうだよね。
身長が高くて、細身で肌が綺麗で顔は整っ
ていて、薄く淡い赤い唇。
女子が好きになる顔面そのものだ。
「違うから! 俺、本当にゲイなんだって」
与陽は左右で手を振って、否定をする。
温かい風が凪く中、僕は与陽の髪がなびい
ているのを目にした。
「…ほんと?」
僕は目を丸くして、与陽に聞き返す。
「うん」
「じゃあ、僕のこと本当に好きなの?」
「だから、そうだって」
腰を両手に当て、そうだと強気で自信満々
に与陽は言い放つ。
与陽はゲイなんだ。
女の子を恋愛対象として見ていない。
僕は安心したのか、思っていた感情があふ
れだす。
「好き」
僕は好きな想いを与陽に伝える。
「俺も」
与陽は口角を上げて、僕を抱き寄せる。
「あ、与陽。これ」
僕は机に置いてあった自分が作ったドーナ
ツを与陽にあげる。
「なにこれ」
与陽は袋に入っているものを覗き見る。
「僕が作ったの。ドーナツ」
「ドーナツ!」
「味見はしたけど、まぁまぁだから味は大丈
たとか」
噂で聞いたのだ。
それはそうだよね。
身長が高くて、細身で肌が綺麗で顔は整っ
ていて、薄く淡い赤い唇。
女子が好きになる顔面そのものだ。
「違うから! 俺、本当にゲイなんだって」
与陽は左右で手を振って、否定をする。
温かい風が凪く中、僕は与陽の髪がなびい
ているのを目にした。
「…ほんと?」
僕は目を丸くして、与陽に聞き返す。
「うん」
「じゃあ、僕のこと本当に好きなの?」
「だから、そうだって」
腰を両手に当て、そうだと強気で自信満々
に与陽は言い放つ。
与陽はゲイなんだ。
女の子を恋愛対象として見ていない。
僕は安心したのか、思っていた感情があふ
れだす。
「好き」
僕は好きな想いを与陽に伝える。
「俺も」
与陽は口角を上げて、僕を抱き寄せる。
「あ、与陽。これ」
僕は机に置いてあった自分が作ったドーナ
ツを与陽にあげる。
「なにこれ」
与陽は袋に入っているものを覗き見る。
「僕が作ったの。ドーナツ」
「ドーナツ!」
「味見はしたけど、まぁまぁだから味は大丈



