与陽は右腕を撫でていたのを両手でギュッと力強く握りしめられた。
僕の右手の甲に与陽の唇が触れた。
「……っふぇ」
僕は変な声が出たので、口でおさえる。
「な、なにしてんの」
目を丸くして、か細い声で必死に僕は声を出した。
与陽はニヤリと笑い、僕の両手を握りしめる。
「明はいなくてはならない存在なんだよ。バツとか言われたとしても、俺はいつだって丸なんだから」
温かい言葉に僕は涙が溢れた。
「うんうん……うん…」
僕はギュッと与陽の両手を握る。
涙を零す僕に涙を右手で与陽は拭い、微笑んでいた。
「…僕、明のこと好きなんだよ。与陽は僕のこと友達だと思ってるんだよね」
お互い手を離してから、与陽は目を見開く。
「まだ、俺が明のこと友達だと思ってんの」
「だって、与陽は女の子が好きなんでしょ。ゲイって言ったのは僕のことからかっただけでしょ」
与陽は僕に優しく抱き寄せたり、手の甲に唇を触れたのは僕を試しているからに決まっ
ていると思ってしまう。
それでも、友達以上なんじゃないかと疑心暗鬼になっている。
「俺が女を好き? いやいや違う違うから」



