食堂のおばあちゃんは、はいよと大きい声で返事をして、与陽はお盆を受け取る。
軽く礼をしてから、与陽はスタスタと僕の元へ早足で戻ってきた。
「明、これ美味しそうだよな」
与陽は僕の所へ来たら、頼んだメニューのことを話して僕に笑いかける。
「うん」
女子二人組は食べ終わったのか、椅子に置いてあった鞄を手にして、食堂から出て行った。
職員も僕らが見ていないうちにいなくなっていた。
僕らは食堂の中で二人きりだった。
だけど、僕らには会話がなかった。
僕も言葉が出てこなく、何を話したらいいか分からなくなっていた。
食べた後、僕は言葉を発した。
「…与陽。今日は帰ろう。僕考えたいことあるから」
スイーツセットは、味はした。
美味しさよりも楽しさがなくて美味しいはずなのに味気なく感じた。
「分かった。明。無理だけはしないで。じゃあ」
与陽はコーヒーとクッキーを食べ終えてから、少し猫背気味だけど背筋は伸びていて、
何もなかったように振舞ってくれた。
「ありがとう」
僕は返事をして、後片付けをした。



