「二百五番の整理券番号の方」
おばあちゃんの声に僕は振り返り、立ち上がる。
その時、与陽が僕の名前を呼ぶ。
「明。俺は明のことを想ってる。だから、いくらでも待ってるから」
「与陽」
「だから、明。考えすぎないで」
与陽は優しい。優しすぎる。
クールに見えがちなのに根っこの部分は繊細でかつ仲良くなったらとことん関係を築く。
「…うん」
僕は返答をしてから、食堂のおばあちゃんがお盆にスイーツセットを置いた。
「はいよ、このクッキーの上にいつもよりクリーム沢山入れておいたから」
食堂のおばあちゃんはウィンクをしてから、グーサインを出していた。
「…あ、ありがとうございます」
僕は軽く礼をして、返事をした。
僕らの会話を聞いていたのか分からないが、その優しさが身に染みた。
与陽も整理券番号を呼ばれたので、椅子から立ち上がり、取りに行った。
僕は座っていた席に戻り、与陽とすれ違う。
与陽とすれ違うと、柔軟剤の匂いがかすかにした。
僕は振り返って、与陽の後ろ姿を見る。
頼もしくて、細身の身体なのに自分を持っている。
そんな彼だから惹かれたんだと思う。



