「なに、その顔。お前らはいいから。あっち
行けよ
「えええ…。与陽が困ってたのに俺ら来てた
のに。ねぇ、実?
「はいはい。俺ら帰るよ。聡」
実は聡の背中をバンと叩いて、戻るように
行くよ行くよと背中を両手を押して、教室か
ら出た。
「あいつら……フッ」
与陽は呟いてから、少し口角を上げて鼻で
笑っていた。
僕の前ではいつも笑っているのに。
友達の前では表情がないが、口調は優しい。
「明」
与陽は僕の名前を呼んでいた。
その間に朔が僕の鞄を与陽に渡していた。
「あれ? え? 僕の鞄。朔!」
「明。仲直りしな。はいこれ、お願いします」
朔は与陽に礼をした。
「与陽」
「明。返してほしかったら俺の教室に来な。
じゃあ」
そう言ってから与陽は自分の教室に戻って
いた。
「……え? 朔、どういうこと? 意味が分
からないんだけど」
僕は訳が分からなかった。
与陽は何をしたいのか。
「こうするしかなかったんだよ」
「なんで?」
「お前たちなにかあったんだろう。見ている
こっちがもどかしいんだよ。何があったかは
分からないけど、話しなよ。鞄を与陽に持た
行けよ
「えええ…。与陽が困ってたのに俺ら来てた
のに。ねぇ、実?
「はいはい。俺ら帰るよ。聡」
実は聡の背中をバンと叩いて、戻るように
行くよ行くよと背中を両手を押して、教室か
ら出た。
「あいつら……フッ」
与陽は呟いてから、少し口角を上げて鼻で
笑っていた。
僕の前ではいつも笑っているのに。
友達の前では表情がないが、口調は優しい。
「明」
与陽は僕の名前を呼んでいた。
その間に朔が僕の鞄を与陽に渡していた。
「あれ? え? 僕の鞄。朔!」
「明。仲直りしな。はいこれ、お願いします」
朔は与陽に礼をした。
「与陽」
「明。返してほしかったら俺の教室に来な。
じゃあ」
そう言ってから与陽は自分の教室に戻って
いた。
「……え? 朔、どういうこと? 意味が分
からないんだけど」
僕は訳が分からなかった。
与陽は何をしたいのか。
「こうするしかなかったんだよ」
「なんで?」
「お前たちなにかあったんだろう。見ている
こっちがもどかしいんだよ。何があったかは
分からないけど、話しなよ。鞄を与陽に持た



