沸かしていたので沸くまで待っていた。
「気づいていないだけだよ。明。電話の続き
してもいい?」
そっと優しく僕の背中に右手のひらをそっ
と手形をつけるかのように触れてきた。
「いいよ。お湯が沸くまでなら」
「…明が思っているよりも俺、結構執念ぶか
いんだよ。明と同じだよ。俺も明を想うと苦
しくて、話すだけでも嬉しすぎる。今まで話
せなかったから」
背中にあった手のひらから僕の後ろの両肩
から抱き締めていた。
「今まで?」
「そう。俺、あの体育館で出会う前から明の
こと知ってた」
「え?」
僕は抱きしめられたまま、後ろにいる与陽
に顔を向ける。
「そう。明は俺のこと知ってた?」
「……知ってた…」
「そうなの?」
「うん」
僕は頷いてからそのままお互い見つめあっ
た。
見る度に与陽の肌つやが輝かしく光ってい
て目を見られなくて、目を逸らした。
「……っ…」
「目逸らすなよ」
「……つ…だって…」
僕は目を合わせることはできなかった。
目があったら、もう与陽の所から離れられ
なくなる。
「俺、本気だから。あんたが俺を好きになる
まで離さない」
「気づいていないだけだよ。明。電話の続き
してもいい?」
そっと優しく僕の背中に右手のひらをそっ
と手形をつけるかのように触れてきた。
「いいよ。お湯が沸くまでなら」
「…明が思っているよりも俺、結構執念ぶか
いんだよ。明と同じだよ。俺も明を想うと苦
しくて、話すだけでも嬉しすぎる。今まで話
せなかったから」
背中にあった手のひらから僕の後ろの両肩
から抱き締めていた。
「今まで?」
「そう。俺、あの体育館で出会う前から明の
こと知ってた」
「え?」
僕は抱きしめられたまま、後ろにいる与陽
に顔を向ける。
「そう。明は俺のこと知ってた?」
「……知ってた…」
「そうなの?」
「うん」
僕は頷いてからそのままお互い見つめあっ
た。
見る度に与陽の肌つやが輝かしく光ってい
て目を見られなくて、目を逸らした。
「……っ…」
「目逸らすなよ」
「……つ…だって…」
僕は目を合わせることはできなかった。
目があったら、もう与陽の所から離れられ
なくなる。
「俺、本気だから。あんたが俺を好きになる
まで離さない」



