片手で丸を作って


 朔は口を半開きにして、ドーナツを口に入れるのを待っている状態だった。

「やっぱ、あげない~」  

 僕はドーナツを朔側から自分の口に入れた。

「……なっ、お前!! この野郎」

 朔は僕の頭をぐりぐりした。

 笑いながら僕はうーん、痛い、朔~とヘラヘラして、笑っていた。

 また始まったよとクラスメイト同士話していた。

「ねぇ、仲いいよね」

 朔と僕は会った時からこんな調子だ。

 初めて会った感覚はあまりなく、ずっと一緒にいるような感覚だ。

 毎日の学校生活は朔とくだらない話をして終わることが多い。

 笑って、楽しければいい。

 そんなことを思っていたら、陸与陽(くがたくや)に会った。

「なにしてんの」

 体育館に用事があり、僕は体育館に来ていた。

 体育館の物置から何か音がすると思い、行くと、そこには彼がいた。

「……ゴメン、なんでもない」

 そう言って、下を向いて彼は去ろうとしたので、彼の右手首を掴んだ。

「待って。お前、陸与陽だろう?」

 僕は彼の右手首を捕まえ、目を見据える。

 陸与陽はクラスは違うが、密かに話したいと思っていた。