前髪をかき分けて、陸与陽は何かある?っ
て言っているのか不満げそうにしていた。
「聞くよ。なに?」
「……与陽は僕のことなんだと思ってるの。
僕のこと好きなの?」
僕は与陽の右腕を離して、急に僕との距離
感が近くなったことに違和感を覚えた。
知り合ったばかりの僕と話し合うようにな
ったのは最近なのに。
友達よりも近い存在になっているような感
覚に陥ってしまう。
おかしい。
元々、こういう距離感だったの。
与陽の方に目を見張る。
「好きだよ」
与陽は僕の頭を撫でてから、子供を見るか
のように両膝を屈んで僕の目を真っ直ぐに見
る。
澄んだ瞳で僕を見るその目は疑う余地もな
かった。
「好きって…僕たち知り合ったばかりだし、
それは友達としての好きだよね?」
戸惑いを隠せない僕に与陽はそっと手を差
し出す。
「俺、友達は聡と実の二人だけど。知りたい
・仲良くなりたいとか思うのは明だけなんだ
よ。今に始まった訳じゃないよ。明。覚えて
ない? 俺たちあの体育館で話したのが初め
てじゃないよ」
与陽が僕の右手をギュッと握ってきた。
与陽の右手は温かかった。
て言っているのか不満げそうにしていた。
「聞くよ。なに?」
「……与陽は僕のことなんだと思ってるの。
僕のこと好きなの?」
僕は与陽の右腕を離して、急に僕との距離
感が近くなったことに違和感を覚えた。
知り合ったばかりの僕と話し合うようにな
ったのは最近なのに。
友達よりも近い存在になっているような感
覚に陥ってしまう。
おかしい。
元々、こういう距離感だったの。
与陽の方に目を見張る。
「好きだよ」
与陽は僕の頭を撫でてから、子供を見るか
のように両膝を屈んで僕の目を真っ直ぐに見
る。
澄んだ瞳で僕を見るその目は疑う余地もな
かった。
「好きって…僕たち知り合ったばかりだし、
それは友達としての好きだよね?」
戸惑いを隠せない僕に与陽はそっと手を差
し出す。
「俺、友達は聡と実の二人だけど。知りたい
・仲良くなりたいとか思うのは明だけなんだ
よ。今に始まった訳じゃないよ。明。覚えて
ない? 俺たちあの体育館で話したのが初め
てじゃないよ」
与陽が僕の右手をギュッと握ってきた。
与陽の右手は温かかった。



