一学期の終わり。
 ペア講座もあと何回かで終了にさしかかってなんとか俺たち二人の作品は完成にこぎつけそうだった。

「よし、先生に確認してもらいにいこうぜ」
「はい、先輩」

 相田は前髪を切って顔をさらけ出している。
 最初こそ抵抗があったが徐々に慣れてきたらしい。
 いいことだ。
 相田は俺にべったりでなんとか一年のクラスメイトとも仲良くしてほしいものだと思うが、そんな時間が嬉しいとも思ってしまう。


 今はまだこの関係をなんとも言えずにいる。

「行きましょう、鶴見先輩」

 相田がこちらを振り返って笑っている。
 清々しい風が吹き抜ける。
 前髪を切ってさっぱりとした相田の顔はやっぱり格好良くて俺の目は確かだったなと思う。
 爽やかな笑顔に柔らかな春の陽射しが降り注いでいる。
 スポットライトのような光に照らされた相田の姿は綺麗だと思った。