「ねえ、先輩」
「どうしたの?」
「先輩って彼女とか居ないの?」
やばい、聞いちゃった。
いるよなんて言われたらどうしよう。
「え?居ないよ笑居たら優奈と会ってないって笑」
私の心配とは裏腹に呆気なく先輩はそう答えた。
「そ、そうだよね笑気になったから聞いてみただけ!笑」
よかった、確かにそうだよね、彼女いたら私なんかと先輩が会ってるわけないよ。
私は先輩のその言葉に心底ホッとした。
「ずっと思ってたんだけどさ」
先輩が口を開いた。
「うん。」
私は首を傾けながら先輩の声に耳を傾けた。
「優奈そんな薄着で寒くないの?」
「めっちゃ寒いよー笑もっと厚着してくるべきだったねー。」
私は鼻を真っ赤にしてそう言った。
すると先輩は自分の羽織っていたパーカーを私に着せてくれた。
突然の出来事でびっくりしていると、
「優奈が風邪引いたら心配だから、暖かくしてないとだめだよ?」
先輩の温もりに包まれる。
さっきまでの寒さが嘘みたいに暖かい。
このままずっとこうしてたい。
先輩を私だけのものにしたい。誰かに取られてしまう前に。
気づいた時には私の口は開いていた。
「先輩私…」
「ん?どした?」
先輩が不思議そうな顔をしながら私の顔を覗き込んでくる。
緊張と不安が入り混じり声が出ない。
落ち着け私。大丈夫。きっと先輩も私と同じ気持ちなはず。
「好き、です。先輩のことが。」
勇気を振り絞って出した私の言葉は少しカタコトだったが、ちゃんと気持ちは伝えることができた。
先輩の方をチラッと視線を送る。
動揺しているのか眉間にシワをよせ、少し怖い顔をしている。
その様子を見て私の不安は積もっていく。
少し沈黙が続いた後先輩が口を開いた。
「ごめん、今は恋愛する気ない。優奈のことは女友達としか見てなかった。」
頭が真っ白になる。嘘、今まで言ってくれた会いたいも可愛いも全部嘘だったの?
今にも泣き出しそうな私に先輩は
「でも優奈とはこれからも友達でいたい。会ったりもしたいって思ってるよ。親友って思ってたしね。」
真剣な顔でそう言った。
「でも優奈が俺のこと好きなままなら、いつかこの友情は友情じゃ無くなってしまう、このままなら優奈がしんどくなるだけになってしまうよ」
続けてそう言う先輩は私よりも辛そうな顔をしている。
遠回しに諦めろってことだよね。
でもそんな簡単に諦めることなんてできるわけないよ。
私は考えた。
先輩のことを諦めて先輩と一緒にいるか。自分の気持ちを通すか。
私が悩み抜いた末に辿り着いた答えは
「わかった。先輩のことは諦める。だからこれからも会ったり、寝落ち通話したりしてくれる?」
私がそう言うと先輩は笑顔で「もちろん」そう答えてくれた。
少し2人の間に沈黙が続いたあと「帰ろっか。」その先輩の言葉に、私と先輩は立ち上がり自転車を押し始めた。
私ば自分の着ているパーカーに気付き返そうとした。
「帰り道寒いでしょ?着てていいよ。」
「いやいや、悪いよ。」
「大丈夫。俺家近いし!」
「そっかー。じゃあ着て帰ろうかな。」
私は先輩の言葉に甘えてパーカーを着て帰ることにした。
先輩の匂いが染みついたパーカーをギュッと握りしめた。
先輩、私ちゃんと諦めるからね。好きだったよ。
自分の気持ちにケジメをつけて私は先輩との思い出が詰まった公園を後にした。
涙で前が見えない。
気づけば私は泣いていた。
あれ、おかしいな、先輩が私のこと好きじゃないことくらい本当は分かってたじゃんか。
その日の帰り道はいつもよりすごく長く感じた。
私は涙を拭い、自転車を力強く漕いだ。
家に着く頃には涙は止まり、早々にお風呂を済ませ布団に入った。
先輩になにかメッセージ送ろうかな。
「今日はごめんね」
そう一言だけ送る
「大丈夫だよ、気にしないで」
その言葉にまた私は涙が溢れる
振られちゃった私。
大好きなのにな、会いたいよ。
そう思えば思うほど涙は大粒へ変わっていく。
今日はもう寝よう。
起きてても先輩のことで頭がいっぱいでどうにかなりそう。
私の視線の先には先輩から借りたパーカーが落ちている。
私はそのパーカーを手に取った。
この匂いを嗅ぐと少しだけ辛い気分が和らいだ。
隣に先輩がいるように思えたから。
私は張り裂けそうな気持ちを抑えて、無理やり眠りについた。
「どうしたの?」
「先輩って彼女とか居ないの?」
やばい、聞いちゃった。
いるよなんて言われたらどうしよう。
「え?居ないよ笑居たら優奈と会ってないって笑」
私の心配とは裏腹に呆気なく先輩はそう答えた。
「そ、そうだよね笑気になったから聞いてみただけ!笑」
よかった、確かにそうだよね、彼女いたら私なんかと先輩が会ってるわけないよ。
私は先輩のその言葉に心底ホッとした。
「ずっと思ってたんだけどさ」
先輩が口を開いた。
「うん。」
私は首を傾けながら先輩の声に耳を傾けた。
「優奈そんな薄着で寒くないの?」
「めっちゃ寒いよー笑もっと厚着してくるべきだったねー。」
私は鼻を真っ赤にしてそう言った。
すると先輩は自分の羽織っていたパーカーを私に着せてくれた。
突然の出来事でびっくりしていると、
「優奈が風邪引いたら心配だから、暖かくしてないとだめだよ?」
先輩の温もりに包まれる。
さっきまでの寒さが嘘みたいに暖かい。
このままずっとこうしてたい。
先輩を私だけのものにしたい。誰かに取られてしまう前に。
気づいた時には私の口は開いていた。
「先輩私…」
「ん?どした?」
先輩が不思議そうな顔をしながら私の顔を覗き込んでくる。
緊張と不安が入り混じり声が出ない。
落ち着け私。大丈夫。きっと先輩も私と同じ気持ちなはず。
「好き、です。先輩のことが。」
勇気を振り絞って出した私の言葉は少しカタコトだったが、ちゃんと気持ちは伝えることができた。
先輩の方をチラッと視線を送る。
動揺しているのか眉間にシワをよせ、少し怖い顔をしている。
その様子を見て私の不安は積もっていく。
少し沈黙が続いた後先輩が口を開いた。
「ごめん、今は恋愛する気ない。優奈のことは女友達としか見てなかった。」
頭が真っ白になる。嘘、今まで言ってくれた会いたいも可愛いも全部嘘だったの?
今にも泣き出しそうな私に先輩は
「でも優奈とはこれからも友達でいたい。会ったりもしたいって思ってるよ。親友って思ってたしね。」
真剣な顔でそう言った。
「でも優奈が俺のこと好きなままなら、いつかこの友情は友情じゃ無くなってしまう、このままなら優奈がしんどくなるだけになってしまうよ」
続けてそう言う先輩は私よりも辛そうな顔をしている。
遠回しに諦めろってことだよね。
でもそんな簡単に諦めることなんてできるわけないよ。
私は考えた。
先輩のことを諦めて先輩と一緒にいるか。自分の気持ちを通すか。
私が悩み抜いた末に辿り着いた答えは
「わかった。先輩のことは諦める。だからこれからも会ったり、寝落ち通話したりしてくれる?」
私がそう言うと先輩は笑顔で「もちろん」そう答えてくれた。
少し2人の間に沈黙が続いたあと「帰ろっか。」その先輩の言葉に、私と先輩は立ち上がり自転車を押し始めた。
私ば自分の着ているパーカーに気付き返そうとした。
「帰り道寒いでしょ?着てていいよ。」
「いやいや、悪いよ。」
「大丈夫。俺家近いし!」
「そっかー。じゃあ着て帰ろうかな。」
私は先輩の言葉に甘えてパーカーを着て帰ることにした。
先輩の匂いが染みついたパーカーをギュッと握りしめた。
先輩、私ちゃんと諦めるからね。好きだったよ。
自分の気持ちにケジメをつけて私は先輩との思い出が詰まった公園を後にした。
涙で前が見えない。
気づけば私は泣いていた。
あれ、おかしいな、先輩が私のこと好きじゃないことくらい本当は分かってたじゃんか。
その日の帰り道はいつもよりすごく長く感じた。
私は涙を拭い、自転車を力強く漕いだ。
家に着く頃には涙は止まり、早々にお風呂を済ませ布団に入った。
先輩になにかメッセージ送ろうかな。
「今日はごめんね」
そう一言だけ送る
「大丈夫だよ、気にしないで」
その言葉にまた私は涙が溢れる
振られちゃった私。
大好きなのにな、会いたいよ。
そう思えば思うほど涙は大粒へ変わっていく。
今日はもう寝よう。
起きてても先輩のことで頭がいっぱいでどうにかなりそう。
私の視線の先には先輩から借りたパーカーが落ちている。
私はそのパーカーを手に取った。
この匂いを嗅ぐと少しだけ辛い気分が和らいだ。
隣に先輩がいるように思えたから。
私は張り裂けそうな気持ちを抑えて、無理やり眠りについた。
