午後4時20分
私は家に着くなり、すぐに先輩に会う準備を始めた。

メイクもいつもより丁寧に、祖母に買ってもらった香水をつけて、服にアイロンもかけた。

ばっちり、なはず。

いつもしないオシャレをしたせいか本当にこれが正解かわからないまま家を出た。

やっぱり夕方は寒い、こんなことならもっと厚着してくるんだったぁ。

先輩寒くないかな?大丈夫かな?

気づけば先輩の心配をしている自分がいる

先輩に今すぐ会いたい。

そう思い私は自転車を思いっきり漕いだ。

公園に着いたが先輩の姿がない。

あれ?どこだろう、前の場所って言ってたのに。

辺りを見渡す私、少し不安に思っていた私の後ろからいきなり先輩の声が聞こえた。

「お待たせ〜、準備手こずってた、ごめんね。」

先輩だ。

やっと会えた。嬉しい。

私のために先輩が時間をかけて準備してくれたことに喜びを感じた。

先輩に会えた嬉しさから私の顔には笑みが溢れる。

「全然大丈夫!先輩に会いたかった。」

気づけば先輩に会えた嬉しさからかそんなことを口にしていた。

ちょっと攻めすぎたかな?

急に会いたかったとか言ったら嫌がられたりしないかな。

私の不安な気持ちを先輩は察したのか

「俺も会いたかったよ。いつもよりメイク可愛いな、この匂いも俺の好きな匂い。俺の好みに合わせてくれたの?」

先輩が私のこと褒めてくれた!嬉しい。

「うん、」

急に先輩から褒められた私はびっくりして微妙な返事もしてしまった。

もっと可愛い反応すればよかった。

私が不安そうな顔してたから安心させようとしてくれたのかな。

先輩も、私と同じ気持ちなのかな…今日の朝よりも強い期待またが私の脳にチラつく。

俯いたままの私に先輩はいつもの優しい笑顔で私の顔を覗き込みながら

「あっち行こうよ」

そう言って私の手を引き公園内を少し歩いた。

先輩の手おっきくて暖かい。

冷え切った私の手に先輩の温もりが強く伝わってくる。

やっぱり私先輩のこと好きだな。

このおっきな手が好き。

優しい笑顔が好き。

気にかけてくれるところが好き。

落ち着いてて安心する声が好き。

先輩への気持ちが抑えきれない。

「ねえねえ、座ろうよ。」

私は先輩の手を強く握り締めいつものベンチに腰掛けた。