この思い出に鈴蘭を

スマホのアラームの音で目が覚める。

私が起きた時にはもう朝で先輩との通話は夜中の2時36分に切れていた。

あれ?先輩夜中に起きちゃったのかな?どうしたんだろう。

もしかして、私のこと気にかけてくれてるのかも。

私が目を覚さないように切ってくれたのかな?

そんな先輩の優しさに私は変に淡い期待を寄せてしまう。

そんなことあるはずないのに。

私が階段を降りる後に気づいたのか母が

「あれ?今日は自分で起きれたのね。」

その言葉に私は力無い声で「まあね」と答える。

顔を洗い、いつもより念入りにヘアセットをし、バッチリ制服を着こなして学校に向かう。

その日はいつもより時間が経つのが遅く、ずっと先輩と会ったら何話そうとかばっかり考えて授業も頭に入らない。

「今日ずっとボーってしてるじゃん、どした?先輩となんかあったん?」

急に瑠奈から声をかけられた。

「実は今日先輩と会うんだけど、昨日の夜通話してて話して思ったんだけどさ、私やっぱり先輩のこと好きかも。ずっと先輩のこと考えちゃうんだよね、。」

私は少し照れ臭そうに髪の毛をいじりながらそう言った。

「やっぱり?そんなことだと思ったよぉ〜」

流石瑠奈。私のことはなんでもお見通しみたい。

「そういえば先輩って彼女とか好きな人いないの?」

確かに、先輩とそんな話しをしたことはない。

「えー、わかんない。今日聞いてみようかな」

「うん、絶対聞いた方がいいよ。」

「だよねー、でも聞くべきなのかな笑これでいたとに気まずくない笑」

先輩に彼女がいるか聞くのを渋る私に瑠奈はニヤニヤし始める

「優奈、先輩に彼女いたら怖いから渋ってるんでしょ笑」

瑠奈に確信を突かれた私は少しビクッとした。

「別にそんなんじゃないし!」

少し怒った顔でそう言う私に瑠奈は

「ちゃんと先輩のこと好きじゃんか笑」

瑠奈は私の心を見透かしたようにそう言う

「好きなのかも笑」

なんだか自分の気持ちに正直になれた気がした

「好きって伝えなよ。」

瑠奈が急に真剣な顔をしてそんなことを言ってきた。

「えー、早くない?まだ彼女おるかもしれんし、そんな勇気でんよー」

「でも、早くしないと先輩誰かに取られちゃうかもよ?笑」

少し悪い顔をしながら笑う瑠奈の言葉に私は焦りを感じた。

「だよね。一旦彼女おるか聞く!それで居なかったら好きって伝える!」

「まじ!頑張れ!応援してる!」

瑠奈の応援に私は背中を押された。

私は今日先輩に好きって伝えます。