この思い出に鈴蘭を


今日も夜も先輩と通話をする約束をしている。

毎日の日課だ。

私は早々にご飯にお風呂を済ませ、自室のベッドに潜り込んだ。

時計の針は午後9時45分を刺している。

私先輩のこと好きなのかな、どうしよう。

学校で瑠奈とした恋バナのせいか先輩のこと好きなのかも。

そう思ってしまう。

いつもより先輩のこと意識してしまっているせいかなんだか通話も緊張する。

心臓が口から飛び出てしまいそう。

ブーブー

先輩からの着信音。

焦りのあまりスマホの落としてしまった。

ドキドキしながら通話に出る。

「もしもし、遅くなってごめんね。」

先輩が申し訳なさそうにそう言う。

私は「全然大丈夫だよ。」ぎこちなく震えた声で伝えた。

「どうしたの?なんかあった?」

どうしよう、バレてる。

なんて言おう。

先輩のこと好きかもしれないですなんて言えるわけがない。

まず、まだ好きとか決まったわけじゃないし。

黙り切った私に再び先輩は

「本当に大丈夫?よかったら明日会えないかな?」

急な先輩からのお誘いに私は嬉しさと不安が混じった気持ちになりながらも

「大丈夫だよぉー。いつもと同じ場所でいい?」

「うん!大丈夫!じゃあ6時集合な!」

先輩と私は約束を交わし、そこからは私の緊張もほぐれた。

いつものようにたわいの無い話をした後気づいた時には私は眠りについていた。