私は足取り軽く帰宅した後、裕也先輩に連絡をした。
「今日はありがとう!これからよろしくね!」
「こちらこそ!絶対に幸せにするから!」
「幸せにしてもらっちゃいます!笑」
あー、幸せだな。
人から愛を貰うってこんなに幸せなんだな。
大地くんからは感じなかった、この愛情。
今日から私は別の人のものになって、きっと大地くんもこれから他の人のものになっていく。
その時私は心から大地くんの幸せを願えるのだろうか。
多分私は幸せを願えない。
不幸になれ、私より幸せになるな、そう思って大地くんを呪うだろう。
でも、裕也先輩には言えない。
大地くんへの気持ちは裕也先輩には秘密にしよう。
きっとこの気持ちはただの情だ。
未練じゃない。
今復縁を迫られても、大地くんのもとへは帰らない。
けど、だけど、あの頃に戻りたい、そう思う気持ちは消えてくれそうにないな。
大好きだったなぁ。
大地くんの時みたいに私は間違えない。
依存して、男の人に縋るような真似はしない。
裕也先輩のことはちゃんと好きになろう、これ以上無いくらいに愛してあげよう。
そう思い私は自分の部屋にあった大地くんとの思い出の品を全てクローゼットにしまい込んだ。
お揃いの香水も
卒業祝いに買ってくれたお気に入りの服も
あの時返せなかったパーカーも
全部。
私は大地くんと別れてから開いてしまった大きな心の穴を埋めるように裕也先輩へ愛を注ぐことにした。
次の日からの学校はなんだかいつもより時間が経つのが早く感じた。
ずっと裕也先輩のことを考えてしまう。
佳穂にはいつ言おうかな。
まだ私は佳穂や瑠奈に付き合った事を伝えられていない。
やっぱり、早めがいいかな。
そんな事を考えながらもまた告白された時のことを思い出しては、私の口角は上がりっぱなし。
「今日ずっとニヤニヤして、気持ち悪いよー笑」
そんな私を見てか、佳穂が放課後のチャイムが鳴ると共に得体の知れない物を見るような目でこちらへ歩いてきた。
佳穂には今伝えるチャンスかも、。
「実は裕也先輩に告白されちゃいました…。」
そう思い私は少し恥ずかしそうに呟くようにそう言った。
「やっぱり!!!!絶対告白されるって思ってた!!どんな感じだったの!?」
今にも目が飛び出そうなほど目を丸くして私に飛びついてくる。
私は裕也先輩に告白された状況をざっくり説明した。
終始佳穂は、目を輝かせながら子犬のような顔で話を聞いてくれた。
「バックハグされながら告白とかいいなぁ〜、私もそんなのされてみたいよぉ。」
「私も初めてだったからめちゃめちゃドキドキした!」
「やっぱりドキドキするよね!私も恋したい!」
「佳穂ならすぐにいい人できそうだけどなぁ。」
「全然!私実は彼氏できたことないんだよね笑」
佳穂の言葉に私は自分の耳を疑った。
だって佳穂はモデルさんみたいなスタイルと顔だから、男の人には困らなそうって勝手に思ってた。
「人は見た目によらないんだね、。」
私は真剣な顔で佳穂の肩を叩きながらそう言った。
「なんでそんな真剣な顔で言うのー!私だってちょっと気にしてるんだから!高2で恋愛経験無いとか恥ずかしくて言えないよぉ。」
「えー、そうかな?そっちの方が逆に可愛いとかない?」
「可愛くはないでしょ笑」
「初々しくて可愛いみたいな?」
「なにそれ笑」
私と佳穂はそんなたわいのない話をしながら学校を後にした。
「お疲れ!学校終わったよー」
電車に揺られながら裕也先輩に連絡を送る。
いつもならすぐに返信が来るはずなのに、今日は1時間経っても返信が来ない。
お仕事中だから仕方ないか。
裕也先輩は現場職に就いている。
お仕事ってわかってるけど、やっぱり寂しいな。
「お疲れ様!やっと仕事終わったよー。」
やっと返信が来た!
「お疲れ様!遅かったね!」
時計の針は18時35分を指している
「そうなんだよ、今日ちょっと残業だったんだ。返信遅くなってごめんね」
いつも定時の17時で帰ってくる裕也先輩から返信がないと少し心配してしまう。
「そうだったんだ!頑張れて偉いね!」
「優奈ちゃんに褒められたら頑張れるよ!」
「それはよかった!」
「じゃあ俺ご飯食べたりお風呂入ったりするね!終わったらまた連絡する!」
「私も!」
じゃあ、私もお風呂入ろっかな。
裕也先輩は文面からでも私の事が好きなんだなって伝わってくる。
なんだか私と大地くんの立場が変わったみたい。
前までは私が一方的に大地くんのことが好きって感じだったけど、今は大地くんが私の事を追いかけているように感じる。
自分の頭を洗いながら、そんなことを考えた。
愛されているのが伝われば伝わるほど、私は大地くんを忘れられていないことへの罪悪感や嫌悪感に襲われる。
早く忘れなきゃ、裕也先輩の為にも。
裕也先輩には辛い思いさせたくないや。
私はそんなことを思いながら、のぼせるまで浴槽に浸かった。
「お待たせ!お風呂出たよー。」
私はドライヤーをしながら裕也先輩に連絡した。
「俺も今出たところ!」
「そうなんだ!」
「うん!通話しようよ!」
「したい!でもお仕事疲れてない?大丈夫?」
「大丈夫!優奈ちゃんの声聞いた方が元気出る!」
裕也先輩のその言葉に私はドキドキとかそういうのではなく、安心感を覚えた。
人から必要とされるってこんなにも嬉しくて安心できることなんだ。
裕也先輩と出会ってから、本当の幸せっていうのかな?本当の人からの愛され方を知った気がする。
今までの私の基準は大地くんだったので裕也先輩が優しいだけなのかな。
初めはそう思っていたが、少しの間だけど裕也先輩といるうちにそれは大地くんが間違っていたんだな。そう思うようになった。
「じゃあ通話しよっか!」
そう返信するとすぐに裕也先輩から通話がかかってきた。
「もしもしー」
「もしもし!早く優奈ちゃんの声聞きたかったよ!」
「え!私も裕也先輩の返信遅かったからちょっと寂しかった…」
恥ずかしそうに小さな声でそういう私に裕也先輩は
「なにそれ可愛いじゃん笑」
裕也先輩からの愛情を受けるたびに安心している私がいる。
大地くんの時は愛情を受けるたびにドキドキしたりしていたが裕也先輩からはドキドキよりも安心感がある。
暖かい気持ちに包まれているような、そんな気持ちになる。
「裕也先輩いっぱい褒めてくれるから嬉しいな笑」
「当たり前じゃん!彼女だし!」
彼女、その言葉に私はつい嬉しくなった。
「ありがとう!」
「実は俺優奈ちゃんが初めての彼女なんだ、。笑」
「え?そうなの!?」
私はてっきり裕也先輩は恋愛経験豊富だと思っていたのでとてもびっくりしてしまった。
「そんなに驚いてどうしたの笑」
「いや、驚くでしょ!だってあんなに大人っぽいっていうか、慣れてるっていうか、、。」
「今だから言えるけどさ、めっちゃ余裕ある感じ出してたけど、実は内心めっちゃドキドキしてた笑」
「そうだったんだ、私のために頑張ってくれたんだね!」
「頑張ったよー、。人生初めて告白したからもう心臓口から出そうだった。」
真剣な様子でそういう裕也先輩がなんだか面白くて、思わず笑ってしまった。
「なに笑ってるの!馬鹿にすんなよ!」
少し怒った様子でそういう裕也先輩がすごく愛おしく思えた。
「だって、あんなに余裕そうにしてたのに本当はめっちゃドキドキしてたんだって思ったら面白くなっちゃった笑ごめんごめん。」
「別にいいけどさ〜。」
不貞腐れたようにそう言う裕也先輩もすごく愛おしい。
「確かさ泣いてなかったっけ?笑」
「え!覚えてたの!?」
「当たり前じゃん笑そんなにOKもらえて嬉しかったの?」
「そりゃあ好きな人からOKもらえて嬉しくないわけがないよねー」
裕也先輩はちゃんとストレートな愛をくれる。
こんなストレートな愛を受け取ったことがない私は返事に困ってしまった。
大地くんが裕也先輩みたいな人だったらなぁ。
今でもきっと私の隣には大地くんが…。
そんな事を考えてしまう。
裕也先輩と大地くん比べないって決めてたのになぁ。
こんな気持ちで裕也先輩と付き合っていていいものなのか、まだ付き合ったばかりなのにそんなことが頭によぎる。
「どうしたの?なんか俺嫌なこと言った?」
無言だった私を心配してか、裕也先輩の方が口を開いた。
「違う!なんかこんなにちゃんと好きとか言ってもらうの初めてだから、なんか嬉しかった笑」
大地くんのことを思い出したのは秘密。
「そうだったんだ!俺初めての彼女だし、絶対幸せにしたいし、不安にさせないって決めてるんだよね!」
「嬉しい!私も裕也先輩のこと幸せにできるように頑張る!」
こんなセリフ大地くんにも言われたかったな。
大地くんと話したい…。
あの時大地くんの連絡先消さなきゃよかったな。
自分に正直になって大地くんの所に戻ってたら今頃こんな気持ちにならなくて済んだのかな。
ダメだとわかっていても大地くんのことばかり考えてしまう。
裕也先輩のことも好きだ。
けど、やはり大地くんのことは忘れられない。
このままでいいのかな、。
「やっぱりなんか元気ない?」
「そんなことないよ!そういえば私も裕也先輩に隠してたことあるんだよね笑」
「本当?隠してたことってなにー?」
「裕也先輩のタイプ大人っぽいとかだったから家出る前に大人っぽい女の人になる為にはとか調べてたから家出るの遅れた、笑」
「そうだったの??笑だからなんかいつもと雰囲気違ったのか!」
「そう笑全然大人っぽいなれなかったけどね笑服とかもママの勝手にきちゃったー笑」
「俺の為にそんなことしたの?」
「うん、。」
「嬉しいなぁ、優奈ちゃが俺の為に行動してくれただけで嬉しいよ。」
こんなに私の事大切にしてくれる人にこんな感情のまま付き合うなんて失礼だよね。
絶対忘れてやる。
「そう言ってもらえて嬉しい!笑」
裕也先輩ならきっと私の事幸せにしてくれる。
大地くんとは違う。
私と裕也先輩の幸せな時間はずっと続く。
そう信じていた。
でも私にとって雷に打たれたような衝撃的なことが起こったのは半年後のことだった。
「今日はありがとう!これからよろしくね!」
「こちらこそ!絶対に幸せにするから!」
「幸せにしてもらっちゃいます!笑」
あー、幸せだな。
人から愛を貰うってこんなに幸せなんだな。
大地くんからは感じなかった、この愛情。
今日から私は別の人のものになって、きっと大地くんもこれから他の人のものになっていく。
その時私は心から大地くんの幸せを願えるのだろうか。
多分私は幸せを願えない。
不幸になれ、私より幸せになるな、そう思って大地くんを呪うだろう。
でも、裕也先輩には言えない。
大地くんへの気持ちは裕也先輩には秘密にしよう。
きっとこの気持ちはただの情だ。
未練じゃない。
今復縁を迫られても、大地くんのもとへは帰らない。
けど、だけど、あの頃に戻りたい、そう思う気持ちは消えてくれそうにないな。
大好きだったなぁ。
大地くんの時みたいに私は間違えない。
依存して、男の人に縋るような真似はしない。
裕也先輩のことはちゃんと好きになろう、これ以上無いくらいに愛してあげよう。
そう思い私は自分の部屋にあった大地くんとの思い出の品を全てクローゼットにしまい込んだ。
お揃いの香水も
卒業祝いに買ってくれたお気に入りの服も
あの時返せなかったパーカーも
全部。
私は大地くんと別れてから開いてしまった大きな心の穴を埋めるように裕也先輩へ愛を注ぐことにした。
次の日からの学校はなんだかいつもより時間が経つのが早く感じた。
ずっと裕也先輩のことを考えてしまう。
佳穂にはいつ言おうかな。
まだ私は佳穂や瑠奈に付き合った事を伝えられていない。
やっぱり、早めがいいかな。
そんな事を考えながらもまた告白された時のことを思い出しては、私の口角は上がりっぱなし。
「今日ずっとニヤニヤして、気持ち悪いよー笑」
そんな私を見てか、佳穂が放課後のチャイムが鳴ると共に得体の知れない物を見るような目でこちらへ歩いてきた。
佳穂には今伝えるチャンスかも、。
「実は裕也先輩に告白されちゃいました…。」
そう思い私は少し恥ずかしそうに呟くようにそう言った。
「やっぱり!!!!絶対告白されるって思ってた!!どんな感じだったの!?」
今にも目が飛び出そうなほど目を丸くして私に飛びついてくる。
私は裕也先輩に告白された状況をざっくり説明した。
終始佳穂は、目を輝かせながら子犬のような顔で話を聞いてくれた。
「バックハグされながら告白とかいいなぁ〜、私もそんなのされてみたいよぉ。」
「私も初めてだったからめちゃめちゃドキドキした!」
「やっぱりドキドキするよね!私も恋したい!」
「佳穂ならすぐにいい人できそうだけどなぁ。」
「全然!私実は彼氏できたことないんだよね笑」
佳穂の言葉に私は自分の耳を疑った。
だって佳穂はモデルさんみたいなスタイルと顔だから、男の人には困らなそうって勝手に思ってた。
「人は見た目によらないんだね、。」
私は真剣な顔で佳穂の肩を叩きながらそう言った。
「なんでそんな真剣な顔で言うのー!私だってちょっと気にしてるんだから!高2で恋愛経験無いとか恥ずかしくて言えないよぉ。」
「えー、そうかな?そっちの方が逆に可愛いとかない?」
「可愛くはないでしょ笑」
「初々しくて可愛いみたいな?」
「なにそれ笑」
私と佳穂はそんなたわいのない話をしながら学校を後にした。
「お疲れ!学校終わったよー」
電車に揺られながら裕也先輩に連絡を送る。
いつもならすぐに返信が来るはずなのに、今日は1時間経っても返信が来ない。
お仕事中だから仕方ないか。
裕也先輩は現場職に就いている。
お仕事ってわかってるけど、やっぱり寂しいな。
「お疲れ様!やっと仕事終わったよー。」
やっと返信が来た!
「お疲れ様!遅かったね!」
時計の針は18時35分を指している
「そうなんだよ、今日ちょっと残業だったんだ。返信遅くなってごめんね」
いつも定時の17時で帰ってくる裕也先輩から返信がないと少し心配してしまう。
「そうだったんだ!頑張れて偉いね!」
「優奈ちゃんに褒められたら頑張れるよ!」
「それはよかった!」
「じゃあ俺ご飯食べたりお風呂入ったりするね!終わったらまた連絡する!」
「私も!」
じゃあ、私もお風呂入ろっかな。
裕也先輩は文面からでも私の事が好きなんだなって伝わってくる。
なんだか私と大地くんの立場が変わったみたい。
前までは私が一方的に大地くんのことが好きって感じだったけど、今は大地くんが私の事を追いかけているように感じる。
自分の頭を洗いながら、そんなことを考えた。
愛されているのが伝われば伝わるほど、私は大地くんを忘れられていないことへの罪悪感や嫌悪感に襲われる。
早く忘れなきゃ、裕也先輩の為にも。
裕也先輩には辛い思いさせたくないや。
私はそんなことを思いながら、のぼせるまで浴槽に浸かった。
「お待たせ!お風呂出たよー。」
私はドライヤーをしながら裕也先輩に連絡した。
「俺も今出たところ!」
「そうなんだ!」
「うん!通話しようよ!」
「したい!でもお仕事疲れてない?大丈夫?」
「大丈夫!優奈ちゃんの声聞いた方が元気出る!」
裕也先輩のその言葉に私はドキドキとかそういうのではなく、安心感を覚えた。
人から必要とされるってこんなにも嬉しくて安心できることなんだ。
裕也先輩と出会ってから、本当の幸せっていうのかな?本当の人からの愛され方を知った気がする。
今までの私の基準は大地くんだったので裕也先輩が優しいだけなのかな。
初めはそう思っていたが、少しの間だけど裕也先輩といるうちにそれは大地くんが間違っていたんだな。そう思うようになった。
「じゃあ通話しよっか!」
そう返信するとすぐに裕也先輩から通話がかかってきた。
「もしもしー」
「もしもし!早く優奈ちゃんの声聞きたかったよ!」
「え!私も裕也先輩の返信遅かったからちょっと寂しかった…」
恥ずかしそうに小さな声でそういう私に裕也先輩は
「なにそれ可愛いじゃん笑」
裕也先輩からの愛情を受けるたびに安心している私がいる。
大地くんの時は愛情を受けるたびにドキドキしたりしていたが裕也先輩からはドキドキよりも安心感がある。
暖かい気持ちに包まれているような、そんな気持ちになる。
「裕也先輩いっぱい褒めてくれるから嬉しいな笑」
「当たり前じゃん!彼女だし!」
彼女、その言葉に私はつい嬉しくなった。
「ありがとう!」
「実は俺優奈ちゃんが初めての彼女なんだ、。笑」
「え?そうなの!?」
私はてっきり裕也先輩は恋愛経験豊富だと思っていたのでとてもびっくりしてしまった。
「そんなに驚いてどうしたの笑」
「いや、驚くでしょ!だってあんなに大人っぽいっていうか、慣れてるっていうか、、。」
「今だから言えるけどさ、めっちゃ余裕ある感じ出してたけど、実は内心めっちゃドキドキしてた笑」
「そうだったんだ、私のために頑張ってくれたんだね!」
「頑張ったよー、。人生初めて告白したからもう心臓口から出そうだった。」
真剣な様子でそういう裕也先輩がなんだか面白くて、思わず笑ってしまった。
「なに笑ってるの!馬鹿にすんなよ!」
少し怒った様子でそういう裕也先輩がすごく愛おしく思えた。
「だって、あんなに余裕そうにしてたのに本当はめっちゃドキドキしてたんだって思ったら面白くなっちゃった笑ごめんごめん。」
「別にいいけどさ〜。」
不貞腐れたようにそう言う裕也先輩もすごく愛おしい。
「確かさ泣いてなかったっけ?笑」
「え!覚えてたの!?」
「当たり前じゃん笑そんなにOKもらえて嬉しかったの?」
「そりゃあ好きな人からOKもらえて嬉しくないわけがないよねー」
裕也先輩はちゃんとストレートな愛をくれる。
こんなストレートな愛を受け取ったことがない私は返事に困ってしまった。
大地くんが裕也先輩みたいな人だったらなぁ。
今でもきっと私の隣には大地くんが…。
そんな事を考えてしまう。
裕也先輩と大地くん比べないって決めてたのになぁ。
こんな気持ちで裕也先輩と付き合っていていいものなのか、まだ付き合ったばかりなのにそんなことが頭によぎる。
「どうしたの?なんか俺嫌なこと言った?」
無言だった私を心配してか、裕也先輩の方が口を開いた。
「違う!なんかこんなにちゃんと好きとか言ってもらうの初めてだから、なんか嬉しかった笑」
大地くんのことを思い出したのは秘密。
「そうだったんだ!俺初めての彼女だし、絶対幸せにしたいし、不安にさせないって決めてるんだよね!」
「嬉しい!私も裕也先輩のこと幸せにできるように頑張る!」
こんなセリフ大地くんにも言われたかったな。
大地くんと話したい…。
あの時大地くんの連絡先消さなきゃよかったな。
自分に正直になって大地くんの所に戻ってたら今頃こんな気持ちにならなくて済んだのかな。
ダメだとわかっていても大地くんのことばかり考えてしまう。
裕也先輩のことも好きだ。
けど、やはり大地くんのことは忘れられない。
このままでいいのかな、。
「やっぱりなんか元気ない?」
「そんなことないよ!そういえば私も裕也先輩に隠してたことあるんだよね笑」
「本当?隠してたことってなにー?」
「裕也先輩のタイプ大人っぽいとかだったから家出る前に大人っぽい女の人になる為にはとか調べてたから家出るの遅れた、笑」
「そうだったの??笑だからなんかいつもと雰囲気違ったのか!」
「そう笑全然大人っぽいなれなかったけどね笑服とかもママの勝手にきちゃったー笑」
「俺の為にそんなことしたの?」
「うん、。」
「嬉しいなぁ、優奈ちゃが俺の為に行動してくれただけで嬉しいよ。」
こんなに私の事大切にしてくれる人にこんな感情のまま付き合うなんて失礼だよね。
絶対忘れてやる。
「そう言ってもらえて嬉しい!笑」
裕也先輩ならきっと私の事幸せにしてくれる。
大地くんとは違う。
私と裕也先輩の幸せな時間はずっと続く。
そう信じていた。
でも私にとって雷に打たれたような衝撃的なことが起こったのは半年後のことだった。
