裕也先輩と会う日の朝
「おはよ。家どこらへん?」
朝一裕也先輩から連絡が来た。
「おはよーう!んー、南小学校の近くだよ!」
「りょーかい!13時くらいにそこ迎え行くからちょっと出てきてもらってもいい?」
「ありがとう!じゃあ待ってるね!」
「はーい!」
現在の時刻は9時50分
約束の時間まで約3時間ある。
私は少し気合を入れて準備することにした。
普段はしないが、朝からパックをして、顔のむくみをとった。
メイクも大人っぽいメイクを心がけた。
「髪の毛、どうしよう。」
裕也先輩の好みはロング。
私は肩上のボブ。
髪の毛はどうしようもない。
そうだ!お団子にしよう。
お団子だったら髪の毛の長さあんまりわからないかも!
そう思い私は普段しない少し高めのお団子に手こずりながらも横髪と後毛を巻いてヘアメイクを完成させた。
よし!バッチリ!
あとは服だ。
正直私はあまり服のセンスがない。
ダサいとか思われたらどうしよう。
SNSで大人っぽい服を検索してみた。
そこには高校2年生には早いような、服がたくさん載っていた。
こんな服持ってないよ…
だが私がそんな服を持っているはずもなく、途方に暮れた。
あ!そうだ!
私は思いついた。
母の服を借りよう。
そう思い私は母のクローゼットを漁った。
そこにはSNSで載っていたような服が並んでいた。
どーしようかなー。
私は一枚のスカートを手に取った。
それはマーメイド型の黒のスカート。
これ可愛いな。
服装も大地くんの好みのストリートに合わせていた私は、普段からスカートなんて履いたこともなかったが、
裕也先輩に可愛いって思ってもらえるかも。
そう思った私は思い切ってスカートを履いてみることにした。
「意外と似合ってるかも、?」
上の服も合いそうなものを適当に合わせ、準備完了。
鏡の前に立ち、ぐるりと一周回転してみた。
普段と雰囲気の違う自分に少し違和感を覚えながらも、私は裕也先輩との約束に胸を膨らませた。
可愛いって言ってもらえるかな?
タイプに少しでも近づけたかな?
期待と不安が混じりながらも私は約束の時間を待った。
集合時間の30分前。
私はずっと鏡の前でソワソワしている。
なんかアイライン変かも。
服も似合ってない気がしてきた。
口とか臭くないかな。
私可愛くないかも。
そんな不安が私に押し寄せる。
でももう治してる時間もない。
私はスマホで大人っぽい女の子になる方法。
そんなことを調べた。
「んー、なになに」
その記事には、
「ゆっくり話す、目を見て話す、大きな声で笑わない、清潔感を出すか。」
そんなことが書かれてあった。
私はこの4つのことを意識することに決めた。
そんなことを考えているうちにもう約束の時間が迫ってきている。
「やばい、もう出ないと間に合わない」
私は急いで家を出た。
南小学校までは歩いて5分もかからないところにある。
時間ギリギリとか余裕なさすぎるよね。
目標の大人っぽいからどんどん遠ざかっている気がした。
南小学校が見えてきた
そこにはスマホを眺めている裕也先輩の姿が見える。
「おまたせ!」
「全然大丈夫だよ笑急いだんだね、大丈夫?」
「ちょっと準備に時間かかっちゃった笑」
なんかの会話大地くんともしたことあるな。
ダメだよ。
早速大地くんと裕也先輩を重ねてしまっている私がいる。
「どーしたの?ぼーっとして笑」
「んーんー!なんでもない!」
「何かしたいこととかある?」
「何も考えてなかったぁ。そういえば話したいことあるんだよね!座れそうなところがいいなぁ。」
「覚えててくれたんだ!そうだね。公園とかどうかな?」
「私の家の近くの公園、ベンチとかあるからそこにしない?」
私と裕也先輩は近くの公園まで行く方にした。
公園に着くなり、近くにあったベンチに腰掛けた。
「それで、話ってなーに?」
私はドキドキしながらそう問いかけた。
「えーっと。」
裕也先輩は俯いたままこちらを見てくれない。
「何もったいぶって!笑早く!気になってたんだから」
告白だから緊張してるのかな?
裕也先輩のことを急かしてはみたものの、告白かもしれない、そう思うほど私の心臓の音は大きくなっていく。
「優奈ちゃんって俺のことどう思ってるの?」
「え?裕也先輩のこと、?」
「うん、俺のこと」
真剣眼差しで私のことを見つめる裕也先輩の瞳は吸い込まれそうなほど純粋なものに見えた。
「相談乗ってくれて、頼れる先輩?かな?」
私は少し悩んだもののそう答えた。
「そっか、」
がっかりしたような表情を浮かべる裕也先輩に私は
「じゃあ裕也先輩は私のことどう思ってるんですか、?」
そう聞き返した。
「えー、聞かれると思ってなかったなぁ笑」
頭をかきながらそういう裕也先輩が不思議と愛らしく見える。
「優奈ちゃんのことは、可愛い後輩…かな?」
可愛い…
その言葉に意識してしまう。
「どうしたの?顔赤いよ?」
「なんでもないよ!」
そんなに私今顔赤いかな?
なんだか体が中心からポカポカする感覚に襲われる。
大人っぽくしようとか思ってたのに、こんな余裕ないところ見せて全然ダメじゃん。
「ほんとー?笑」
からかったように笑う裕也先輩の顔をまともに見ることもできずにいる私に追い打ちをかけるように
「やっぱり優奈ちゃん可愛いよね、大地にはもったいないよ」
なんで私こんなに意識しちゃってるんだろう。
裕也先輩はただの相談相手、。
そう自分に言い聞かせて平然を装った。
「いやいや、そんなことないよ笑」
「まだ、大地のこと忘れられない?」
どうしよう、正直にいうべきかな。
嫌な思いとかさせちゃうかな、大丈夫かな。
嫌われちゃったらしないかな…。
そんな不安が頭をよぎる。
「ま、まあ…」
濁したようにそういう私を見て悲しそうな笑顔をする裕也先輩を大地くんと重ねてしまう。
大地くんもこんな顔してたな。
いつまで大地くんで悩んでるんだろう。
早く私の中から消えてよ、解放してよ。
別れてまで私のこと苦しめないでよ。
大地くんのことを想うといつも胸が苦しくなる。
時間が解決してくれる。
そう信じて大地くんのこともう忘れたって、未練なんかないって嘘ついたりもしたけど、やっぱり自分には嘘つけないや、。
「今日はもう帰ろっか。」
裕也先輩の言葉に私は我に帰った。
「話したかったことは?もういいの?」
「うん、また今度にしようかな、笑」
「そっか、わかった。」
「だからまた会ってほしい」
私の目を真っ直ぐ見つめてそう裕也先輩は言った。
私は少し悩んだが、「いいよ」そう一言だけ返した。
「ありがとう!」
さっきまでの真剣な顔が嘘のように満面の笑みを浮かべる裕也先輩がすごく眩しく見えた。
この笑顔をずっと見ていたい。
そう強く思った。
「うん!じゃあまた今度ね」
「そうだね、家まで送るよ。」
「大丈夫だよ!家すぐ近くだし!」
「いいから、送らせてよ。」
「じゃあ、お願いしようかな?笑」
少し強引にそういう裕也先輩の押しに負け私は家まで送ってもらうことになった。
帰り道、もう夕陽が沈みそう。
5分ほどの道のりがすごく長く感じた。
気まずさからか裕也先輩の顔がまともに見れない。
私と裕也先輩の間は終始無言が続いた。
体感で言えば20分ほど歩いた頃だろうか、
やっと家が見えてきた。
「あれ私の家だからここで大丈夫だよ!送ってくれてありがとう!」
さっきまでの気まずさが嘘のように私は笑顔で手を振った。
「わかった!じゃあまた今度ね!」
裕也先輩も満面の笑みでこちらに手を振る。
「またね!」
私は裕也先輩に別れを告げ家の方向に歩き始めた。
その瞬間誰かに後ろから抱きしめられた。
「え、?」
私は困惑したが暖かく、心地いい感覚に襲われ少し安心する気持ちも同時に感じた。
「急にごめん、やっぱりこの気持ち伝えてたくなった。」
裕也先輩の少しかすれた声が聞こえた。
それは緊張からか震えているようにも感じる。
「どうしたの?急にバックハグなんかしちゃって、笑」
私はここで取り乱してはいけないと思い平然を装いながら少し笑ってそう言った。
「俺と付き合ってくれないかな?」
告白?
予想はしていたが、いざその場になってみると言葉が詰まる。
「あ、えっと…。」
私が返答に困っていると
「俺より大地の方がいいなんてわかってるし、俺のこと好きじゃないこともわかってる。けど優奈ちゃんが困ってるなら、1番近くで守りたいし、支えたんだ。」
その言葉に私の心臓は大きく動き出したのが自分でもよくわかった。
「私大地くんのこと忘れられてないよ?」
「これから忘れていけばいいだけだよ。」
「裕也先輩が辛い思いするだけかもしれないよ」
「大丈夫、優奈ちゃんの全部俺なら受け止められるから。」
「私実は今日告白されるんじゃないかなって思ってたんだよね、笑」
「え、そうなの?」
「うん、だがらずっと返事考えてた。」
「そうなんだ、それで返事は決まってる?」
「裕也先輩のことは頼りにしてるし、付き合ったら幸せにしてくれそうって、付き合おうって言われたら、付き合いたいって思ってた。だから、これからいっぱい迷惑かけるかもしれないし、大地くんのこととかで嫌な思いさせちゃうこともあるかもしれない、それでもよかったら、付き合いたい、です…。」
その言葉を聞いた裕也先輩はさらに私のことを強く抱きしめた。
「ありがとう、。」
さっきよりも震えた声。
泣いていることがわかった。
「なに?笑泣いてるの?嬉しくないの?」
からかったようにそう言う私に裕也先輩は抱きしめている両手の力をさらに強めた。
「絶対、幸せにするから。」
その力強い言葉に私は信じてみよう。そう思えた。
「よろしくお願いします。」
「うん、大好きだよ。」
「私も。」
私と裕也先輩の交際がスタートした。
「おはよ。家どこらへん?」
朝一裕也先輩から連絡が来た。
「おはよーう!んー、南小学校の近くだよ!」
「りょーかい!13時くらいにそこ迎え行くからちょっと出てきてもらってもいい?」
「ありがとう!じゃあ待ってるね!」
「はーい!」
現在の時刻は9時50分
約束の時間まで約3時間ある。
私は少し気合を入れて準備することにした。
普段はしないが、朝からパックをして、顔のむくみをとった。
メイクも大人っぽいメイクを心がけた。
「髪の毛、どうしよう。」
裕也先輩の好みはロング。
私は肩上のボブ。
髪の毛はどうしようもない。
そうだ!お団子にしよう。
お団子だったら髪の毛の長さあんまりわからないかも!
そう思い私は普段しない少し高めのお団子に手こずりながらも横髪と後毛を巻いてヘアメイクを完成させた。
よし!バッチリ!
あとは服だ。
正直私はあまり服のセンスがない。
ダサいとか思われたらどうしよう。
SNSで大人っぽい服を検索してみた。
そこには高校2年生には早いような、服がたくさん載っていた。
こんな服持ってないよ…
だが私がそんな服を持っているはずもなく、途方に暮れた。
あ!そうだ!
私は思いついた。
母の服を借りよう。
そう思い私は母のクローゼットを漁った。
そこにはSNSで載っていたような服が並んでいた。
どーしようかなー。
私は一枚のスカートを手に取った。
それはマーメイド型の黒のスカート。
これ可愛いな。
服装も大地くんの好みのストリートに合わせていた私は、普段からスカートなんて履いたこともなかったが、
裕也先輩に可愛いって思ってもらえるかも。
そう思った私は思い切ってスカートを履いてみることにした。
「意外と似合ってるかも、?」
上の服も合いそうなものを適当に合わせ、準備完了。
鏡の前に立ち、ぐるりと一周回転してみた。
普段と雰囲気の違う自分に少し違和感を覚えながらも、私は裕也先輩との約束に胸を膨らませた。
可愛いって言ってもらえるかな?
タイプに少しでも近づけたかな?
期待と不安が混じりながらも私は約束の時間を待った。
集合時間の30分前。
私はずっと鏡の前でソワソワしている。
なんかアイライン変かも。
服も似合ってない気がしてきた。
口とか臭くないかな。
私可愛くないかも。
そんな不安が私に押し寄せる。
でももう治してる時間もない。
私はスマホで大人っぽい女の子になる方法。
そんなことを調べた。
「んー、なになに」
その記事には、
「ゆっくり話す、目を見て話す、大きな声で笑わない、清潔感を出すか。」
そんなことが書かれてあった。
私はこの4つのことを意識することに決めた。
そんなことを考えているうちにもう約束の時間が迫ってきている。
「やばい、もう出ないと間に合わない」
私は急いで家を出た。
南小学校までは歩いて5分もかからないところにある。
時間ギリギリとか余裕なさすぎるよね。
目標の大人っぽいからどんどん遠ざかっている気がした。
南小学校が見えてきた
そこにはスマホを眺めている裕也先輩の姿が見える。
「おまたせ!」
「全然大丈夫だよ笑急いだんだね、大丈夫?」
「ちょっと準備に時間かかっちゃった笑」
なんかの会話大地くんともしたことあるな。
ダメだよ。
早速大地くんと裕也先輩を重ねてしまっている私がいる。
「どーしたの?ぼーっとして笑」
「んーんー!なんでもない!」
「何かしたいこととかある?」
「何も考えてなかったぁ。そういえば話したいことあるんだよね!座れそうなところがいいなぁ。」
「覚えててくれたんだ!そうだね。公園とかどうかな?」
「私の家の近くの公園、ベンチとかあるからそこにしない?」
私と裕也先輩は近くの公園まで行く方にした。
公園に着くなり、近くにあったベンチに腰掛けた。
「それで、話ってなーに?」
私はドキドキしながらそう問いかけた。
「えーっと。」
裕也先輩は俯いたままこちらを見てくれない。
「何もったいぶって!笑早く!気になってたんだから」
告白だから緊張してるのかな?
裕也先輩のことを急かしてはみたものの、告白かもしれない、そう思うほど私の心臓の音は大きくなっていく。
「優奈ちゃんって俺のことどう思ってるの?」
「え?裕也先輩のこと、?」
「うん、俺のこと」
真剣眼差しで私のことを見つめる裕也先輩の瞳は吸い込まれそうなほど純粋なものに見えた。
「相談乗ってくれて、頼れる先輩?かな?」
私は少し悩んだもののそう答えた。
「そっか、」
がっかりしたような表情を浮かべる裕也先輩に私は
「じゃあ裕也先輩は私のことどう思ってるんですか、?」
そう聞き返した。
「えー、聞かれると思ってなかったなぁ笑」
頭をかきながらそういう裕也先輩が不思議と愛らしく見える。
「優奈ちゃんのことは、可愛い後輩…かな?」
可愛い…
その言葉に意識してしまう。
「どうしたの?顔赤いよ?」
「なんでもないよ!」
そんなに私今顔赤いかな?
なんだか体が中心からポカポカする感覚に襲われる。
大人っぽくしようとか思ってたのに、こんな余裕ないところ見せて全然ダメじゃん。
「ほんとー?笑」
からかったように笑う裕也先輩の顔をまともに見ることもできずにいる私に追い打ちをかけるように
「やっぱり優奈ちゃん可愛いよね、大地にはもったいないよ」
なんで私こんなに意識しちゃってるんだろう。
裕也先輩はただの相談相手、。
そう自分に言い聞かせて平然を装った。
「いやいや、そんなことないよ笑」
「まだ、大地のこと忘れられない?」
どうしよう、正直にいうべきかな。
嫌な思いとかさせちゃうかな、大丈夫かな。
嫌われちゃったらしないかな…。
そんな不安が頭をよぎる。
「ま、まあ…」
濁したようにそういう私を見て悲しそうな笑顔をする裕也先輩を大地くんと重ねてしまう。
大地くんもこんな顔してたな。
いつまで大地くんで悩んでるんだろう。
早く私の中から消えてよ、解放してよ。
別れてまで私のこと苦しめないでよ。
大地くんのことを想うといつも胸が苦しくなる。
時間が解決してくれる。
そう信じて大地くんのこともう忘れたって、未練なんかないって嘘ついたりもしたけど、やっぱり自分には嘘つけないや、。
「今日はもう帰ろっか。」
裕也先輩の言葉に私は我に帰った。
「話したかったことは?もういいの?」
「うん、また今度にしようかな、笑」
「そっか、わかった。」
「だからまた会ってほしい」
私の目を真っ直ぐ見つめてそう裕也先輩は言った。
私は少し悩んだが、「いいよ」そう一言だけ返した。
「ありがとう!」
さっきまでの真剣な顔が嘘のように満面の笑みを浮かべる裕也先輩がすごく眩しく見えた。
この笑顔をずっと見ていたい。
そう強く思った。
「うん!じゃあまた今度ね」
「そうだね、家まで送るよ。」
「大丈夫だよ!家すぐ近くだし!」
「いいから、送らせてよ。」
「じゃあ、お願いしようかな?笑」
少し強引にそういう裕也先輩の押しに負け私は家まで送ってもらうことになった。
帰り道、もう夕陽が沈みそう。
5分ほどの道のりがすごく長く感じた。
気まずさからか裕也先輩の顔がまともに見れない。
私と裕也先輩の間は終始無言が続いた。
体感で言えば20分ほど歩いた頃だろうか、
やっと家が見えてきた。
「あれ私の家だからここで大丈夫だよ!送ってくれてありがとう!」
さっきまでの気まずさが嘘のように私は笑顔で手を振った。
「わかった!じゃあまた今度ね!」
裕也先輩も満面の笑みでこちらに手を振る。
「またね!」
私は裕也先輩に別れを告げ家の方向に歩き始めた。
その瞬間誰かに後ろから抱きしめられた。
「え、?」
私は困惑したが暖かく、心地いい感覚に襲われ少し安心する気持ちも同時に感じた。
「急にごめん、やっぱりこの気持ち伝えてたくなった。」
裕也先輩の少しかすれた声が聞こえた。
それは緊張からか震えているようにも感じる。
「どうしたの?急にバックハグなんかしちゃって、笑」
私はここで取り乱してはいけないと思い平然を装いながら少し笑ってそう言った。
「俺と付き合ってくれないかな?」
告白?
予想はしていたが、いざその場になってみると言葉が詰まる。
「あ、えっと…。」
私が返答に困っていると
「俺より大地の方がいいなんてわかってるし、俺のこと好きじゃないこともわかってる。けど優奈ちゃんが困ってるなら、1番近くで守りたいし、支えたんだ。」
その言葉に私の心臓は大きく動き出したのが自分でもよくわかった。
「私大地くんのこと忘れられてないよ?」
「これから忘れていけばいいだけだよ。」
「裕也先輩が辛い思いするだけかもしれないよ」
「大丈夫、優奈ちゃんの全部俺なら受け止められるから。」
「私実は今日告白されるんじゃないかなって思ってたんだよね、笑」
「え、そうなの?」
「うん、だがらずっと返事考えてた。」
「そうなんだ、それで返事は決まってる?」
「裕也先輩のことは頼りにしてるし、付き合ったら幸せにしてくれそうって、付き合おうって言われたら、付き合いたいって思ってた。だから、これからいっぱい迷惑かけるかもしれないし、大地くんのこととかで嫌な思いさせちゃうこともあるかもしれない、それでもよかったら、付き合いたい、です…。」
その言葉を聞いた裕也先輩はさらに私のことを強く抱きしめた。
「ありがとう、。」
さっきよりも震えた声。
泣いていることがわかった。
「なに?笑泣いてるの?嬉しくないの?」
からかったようにそう言う私に裕也先輩は抱きしめている両手の力をさらに強めた。
「絶対、幸せにするから。」
その力強い言葉に私は信じてみよう。そう思えた。
「よろしくお願いします。」
「うん、大好きだよ。」
「私も。」
私と裕也先輩の交際がスタートした。
