この思い出に鈴蘭を

「初めまして、優奈さんですか?」

誰だろう。

見たことないアイコンに私は不思議に思いながらも返信をした

「初めまして、そうです」

「急にメッセージ送ってごめんなさい」

「大丈夫ですよ。誰ですか?」

「櫻井萌です、大地の彼女です。」

大地くんの、彼女、

なんで、連絡してきたの。

そういえば復縁の時の条件で連絡取り合ったら別れるって言ってたよね。

でも、気になる

なぜ萌が急に連絡してきたのか

やっぱり恋のライバルだから敵対視してしまう

何が彼女よ、私だって彼女だし

大地って呼び捨てで呼んでるのも気に食わない。

なぜか私は萌に負けたような気がして悔しくなった。

「何か用ですか?」

私は急に連絡してきた萌に苛立ちを覚えながらぶっきらぼうに返信をした

「大地の彼女ですよね?」

なんで知ってるの。

「そうですけど、誰から聞いたんですか?」

「大地と共通の友達から聞きました」

「大地くんの共通って、貴方ネット恋愛ですよね?」

「はい、大地とは元はゲーム友達でした。」

ゲーム、よく夜ゲームしてたのはそう言うことだったんだね。

なんだか自分の中で今までの大地くんの怪しい行動が繋がった気がした。

「そうなんですね」

「はい、少し通話できませんか?」

別れてとか言われるのかな

ちょっと怖い

私は萌からの急な誘いに少し怯えながらも了承することにした。

「大丈夫ですよ」

ブーブー

「もしもし、」

私は少し震えながら萌えに話しかけた。

「もしもし、通話してくれてありがとうございます」

「大丈夫ですよ、私と話したいことってなんですか?」

「あの、私大地と別れようかなって思ってるんです。それで、でもやっぱり私は大地に依存してて踏み切る理由が欲しくて、優奈さんと通話して見たいって思ってメッセージ送りました」

私は想像していた内容と違う萌の話にすこし驚いた。

「別れたいんですか?」

「別れたくはないです。好きです大好きです、でもこのままじゃ自分のためにならないような気がして、過去に大地は2回浮気をしてます、その度に私は好きだからと許してきました。だけど、最近の私への態度は冷たくて、私が好きになった頃の大地は居ないんだなって、そう思うと離れるのがお互いのためなのかなって思いました。」

泣きそうになりながらもそう強く語る萌の意志は堅いことがよく伝わってくる。

今の私の状況と似ている。

大地くんの私への態度は本当に彼女か疑うほどだが、私はそれでも大地くんと一緒にいたいって思う。

何回も不安になって泣いて、一度は自分の為にも相手の為にも離れることを決めたが、結局自分の意思の弱さに負け復縁を決めてしまった。

再び萌は口を開いた

「多分私のこの大地への好きっていう気持ちは、依存なんです。ただの情、好きって思う気持ちだけじゃ
一緒にいられない恋ってこんなに辛いんですね笑」

少し泣きそうな声でそういう萌に私は萌の大地くんへの本気の気持ちが伝わってきて少し胸が苦しくなった。

こんなに2人の女の子から想われてる大地くんは今どんな気持ちなんだろう。

嬉しいのかな?それとも面倒くさいって思われてるのかな。

少なくとも今の私に大地くんと離れる勇気はない。

だから、こんなに大地くんのことを思っているのに離れることを決断しようとしている萌を心から尊敬する。

「私は、大地くんと離れる勇気は今はありません、きっと私も依存しているのかなって思います。でも大地くんが居ないことを考えるだけで泣いてしまうから、今はまだ一緒にいたいです」

「ですよね。私は次に進みたいです。いつまでも大地の思い通りになんかなりたくない。でも優奈さんの気持ち良くわかる。自分の気持ちが整理できてあいつと離れる勇気が出たら離れたらいいと思います、私は優奈さんと話せて心の整理ができました、ありがとうございました」

萌は少し泣きそうな声で力強くそう言った

なんて出来た子なんだろう。

なんでこんな良い子が大地くんのことを。

私はいつまでも大地くんに執着して、頼って意思の弱い自分に心の底から情け無いと思った。

「こちらこそありがとうございました。また何かあったら連絡してください」

「ありがとうございます。思ったんですけど、敬語やめよう!笑だって、同級生だよね?確か」

「同級生なの?てっきり年上かと思ってた」

「違うよ!じゃあ今日からタメで!」

「うん!ありがと!」

「じゃあね!また何かあったら相談して!」

「はーい」

そう言い萌との電話を切った

まさか同級生だったなんて、あまりにも大人っぽいから年上かと思ってた。

良い子だったな。

「私なんか到底萌ちゃんに及ばない」

私が大地くんの本命になれない理由がよくわかった気がした。

そう思うと初め萌に対して敵対視していたことを少し恥ずかしく感じた。

これからどうしようかな。

萌とこんな話をした後なのに大地くんのことを嫌いになれない。

やっぱり私依存してるだけなのかな。

この大地くんのことを思う気持ちは好きじゃなくて依存なのかもしれない、そう思うと胸が張り裂けそうな気持ちに襲われた。

私はまだ大地くんと一緒に居たい。

そう思えば思うほど涙が溢れる。

1人、ベッドの中で涙を拭く夜を私は何回過ごせば良いんだろう。

もう数えきれないよ。

1時間ほど泣いた頃だろうか。

「話ある」

急に大地くんからメッセージが届いた。

話、なんだろう。

少し怖い。別れ話とかだったらどうしよう。

「いいよ」

そう一言大地くんに送った。