この思い出に鈴蘭を

デート当日

朝が苦手な私が何故か午前5時に目が覚めた。

起きた瞬間から全身に緊張が走る。

いつも通り顔を洗い歯を磨き朝ご飯を食べる。

いつも通りのことをしているはずなのに、何故か初めてかのように感じる。

自分の体なのにいうことを聞かない。

事前に決めておいた、先輩の好みに寄せたコーデに、ナチュラルメイク、先輩が好きって言ってくれた香水をつける。

「何そんなオシャレしとん笑」

母が少し馬鹿にしたように言ってくる。

「変かな?」

私の真剣な顔に母が更に馬鹿にしたように

「まぁいいんじゃない笑、どこ行くん」

「瑠奈と映画見に行ってくる」

母にはまだ先輩とのことは言ってない。言った方がいいのかな。

また機会があれば言ってみよう。

そんなことを考えているうちに集合時間に近づいている。

心臓がバクバクする。

そろそろ駅に向かおう。

「そろそろ家出るね、8時までには帰る。」

「気をつけてね。」

母にそう伝え私は足早に駅へと向かった。

集合時間の20分前に着いてしまった。

「早すぎた…」

ベンチで座って待ってよ。
15分ほど待った頃だろうか

「お待たせー、待った?」

先輩の声だ。

いつも公園であっている時とは違う先輩の服、髪型、雰囲気が違って、大人っぽく見える。

私は見惚れてしまった。

「全然今来たところ〜」

本当は15分くらい前には着いてたけど笑

「そっか!じゃあよかった!もう直ぐ電車くるよね?ホームの方いこっか。」

先輩と私は切符を買いホームへと向かった。

直ぐに電車が来て私たちは電車に乗り込んだ。

「私あんまり電車乗らないからこの電車であってるよね?不安になってきた。」

「大丈夫だよ笑俺がわかってるから。」

先輩のその言葉に私は安心した。

頼り甲斐があってかっこいい先輩。

私は先輩のそういうところが大好きだ。

私は更に先輩に惚れ込んだ。

電車で揺られること20分。

「次の駅で降りるよー」

先輩の言葉で降りた駅は私の最寄りより大きな駅で、何より駅の中にコンビニがあることに驚いた。

田舎者丸だしではしゃいでる私を見て笑ってる先輩。

はたから見たら私たちカップルに見えてるのかな?

そう思うと少し嬉しくなった。

駅から歩いて30分くらいの場所に大きなショッピングモールがある。

一応バスは出ているのだが、私の住んでいる県はとてつもなく田舎だ。

都会のバスのように10分に一本、20分に一本あればいいのだが

「どーする?バス乗る?バス一時間後だけど笑」

「絶対待つより歩いた方が早いやつだよね笑」

「確かにねー、じゃあ歩く?優奈はしんどくない?」

「うん!大丈夫!歩こっかー。」

バスを待つより歩いた方が早い、そう思い私たちは歩いていくことにした。