「おはよう、卒業おめでとう優奈」
母が嬉しそうな顔でこちらを見つめる。
「ありがとう」
私は少しそっけなくそう返した。
「なんかクマすごくない?」
「別にそんなことないけど。」
「そう。早く朝ごはん食べちゃいなさいよ」
「わかった」
冷たくあしらってはいるもののこの何気ない会話が私はなんだかんだ好きだ。
早々に朝食を済ませ、今日で最後の制服に腕を通す。
「これを着るのも今日で最後か」
朝からしんみりした気持ちになった。
通い慣れた道、毎日挨拶を交わすご近所さん、いつも引っかかる信号。
その全てが私にとってかけがえのない思い出。
明日からはもうこの道は通らない。
そう思うととても悲しい気持ちになり、卒業式前から少し泣きそうになる。
「なんかあっという間だったな」
ひとりそう呟きながら前に進む。
いつもと同じ時間に教室に入る
「優奈!寄せ書き!」
クラスメイトたちが寄せ書き交換をしてるようだ。
そこには瑠奈の姿もあり久しぶりに声をかけてみることにした。
久々に瑠奈と話す。
そう思うとすごく緊張した。
「久しぶり、あの時はごめん」
自分でもびっくりするほどに直ぐに謝罪の言葉を伝えることができた。
「久しぶり。私もごめん、優奈の気持ち全然考えてなかった。」
「大丈夫だよ、私のためを思ってくれていってくれたのわかってるから」
「なんかちょっと気まずくなっちゃったね笑、寄せ書き交換しよーよ」
瑠奈の提案に私は応じた。
「はい!アルバム!ここに書いて!優奈は1番大きくね!」
その瑠奈の言葉に私は嬉しくなった。
また瑠奈とずっと居られる。
そう思うと安心できた。
「じゃあ私のも、一番大きく書いてよ?」
自分のアルバムを瑠奈に渡した。
5分程度してから返ってきたアルバムには
これからもずっと親友‼︎
と大きく一言書かれていた。
瑠奈の方に顔を向けると満面の笑みでこっちを見てる。
私も瑠奈のアルバムに
永遠に親友‼︎ダイスキ!
そんな少し恥ずかしくて普段言えないようなことを書いて、私は照れくさい気持ちになり鼻を擦った。
それを見るなり嬉しそうな瑠奈。
なんだか気持ちがほっこりする。
あと30分で式が始まる。
緊張とこれからの人生への期待が混じった複雑な気持ち、を抱えながら最後のHRを受けた。
先生やクラスのみんなとの三年間の思い出話に花を咲かせた。
やっと式本番。
音楽と共に体育館へと入って行く、赤と白の紅白の旗は私たちのことを祝ってくれているかのように感じ心地よかった。
式が始まり、長い校長先生の話や、PTA会長やその他の来客者の話を睡魔と戦いながら最後まで聞き終わった後、みんなで歌う最後の校歌。
あんなに歌い飽きた校歌がなぜか恋しく感じる。
最後のピアノの一音、その音は私たちを送り出してくれたように感じた。
式が終わりクラス写真を撮り終わったあと、母と2人で家に帰った。
「三年間あっという間だったね」
母の言葉に我慢していた涙が溢れた。
「うん」
「何泣いてるんよ笑高校も頑張ってね」
「ありがとう」
母とはあまり仲がいい方ではないが、私のことを応援してくれている。
そう思うと私は1人じゃないんだって思える。
私と母は久しぶりに手を繋ぎながら家へ帰った。
家に帰ってすぐにスマホを確認する。
これが毎日のお風呂よりも日課になっている。
先輩からのメッセージ、
「卒業式どうだった?」
「皆んなと会えるの最後って思ったら泣けてきたよ。」
先輩からの返信はすぐに返ってきた。
「元気ないね、映画の日程決めようよ」
そうだ映画だ、先輩と初めてお家や公園以外で会うのは初めて。
今から少し緊張してしまう。
「今週の土曜日とかどうかな!」
私の提案に先輩は
「ありだね!じゃあお昼頃に駅待ち合わせで!」
先輩との初めての映画デートが楽しみで仕方ない。
楽しみにしてくれてる先輩を様子をみると自然と笑みが溢れる。
「おっけー、すごく楽しみ!」
「いつまでベッドでゴロゴロしてるの?早くお風呂入って寝なさい!」
一階から母の声がする。
「やばい、もうこんな時間か。」
ふと部屋の時計に目をやると午後9時38分を指している。
「先輩私ちょっとお風呂入ってくるね。」
「…」
返事がない。画面を見るとミュートになっている。
「何かしてるのかな?」
不思議に思いながらも私は先輩の通話を切りお風呂に入った。
母が嬉しそうな顔でこちらを見つめる。
「ありがとう」
私は少しそっけなくそう返した。
「なんかクマすごくない?」
「別にそんなことないけど。」
「そう。早く朝ごはん食べちゃいなさいよ」
「わかった」
冷たくあしらってはいるもののこの何気ない会話が私はなんだかんだ好きだ。
早々に朝食を済ませ、今日で最後の制服に腕を通す。
「これを着るのも今日で最後か」
朝からしんみりした気持ちになった。
通い慣れた道、毎日挨拶を交わすご近所さん、いつも引っかかる信号。
その全てが私にとってかけがえのない思い出。
明日からはもうこの道は通らない。
そう思うととても悲しい気持ちになり、卒業式前から少し泣きそうになる。
「なんかあっという間だったな」
ひとりそう呟きながら前に進む。
いつもと同じ時間に教室に入る
「優奈!寄せ書き!」
クラスメイトたちが寄せ書き交換をしてるようだ。
そこには瑠奈の姿もあり久しぶりに声をかけてみることにした。
久々に瑠奈と話す。
そう思うとすごく緊張した。
「久しぶり、あの時はごめん」
自分でもびっくりするほどに直ぐに謝罪の言葉を伝えることができた。
「久しぶり。私もごめん、優奈の気持ち全然考えてなかった。」
「大丈夫だよ、私のためを思ってくれていってくれたのわかってるから」
「なんかちょっと気まずくなっちゃったね笑、寄せ書き交換しよーよ」
瑠奈の提案に私は応じた。
「はい!アルバム!ここに書いて!優奈は1番大きくね!」
その瑠奈の言葉に私は嬉しくなった。
また瑠奈とずっと居られる。
そう思うと安心できた。
「じゃあ私のも、一番大きく書いてよ?」
自分のアルバムを瑠奈に渡した。
5分程度してから返ってきたアルバムには
これからもずっと親友‼︎
と大きく一言書かれていた。
瑠奈の方に顔を向けると満面の笑みでこっちを見てる。
私も瑠奈のアルバムに
永遠に親友‼︎ダイスキ!
そんな少し恥ずかしくて普段言えないようなことを書いて、私は照れくさい気持ちになり鼻を擦った。
それを見るなり嬉しそうな瑠奈。
なんだか気持ちがほっこりする。
あと30分で式が始まる。
緊張とこれからの人生への期待が混じった複雑な気持ち、を抱えながら最後のHRを受けた。
先生やクラスのみんなとの三年間の思い出話に花を咲かせた。
やっと式本番。
音楽と共に体育館へと入って行く、赤と白の紅白の旗は私たちのことを祝ってくれているかのように感じ心地よかった。
式が始まり、長い校長先生の話や、PTA会長やその他の来客者の話を睡魔と戦いながら最後まで聞き終わった後、みんなで歌う最後の校歌。
あんなに歌い飽きた校歌がなぜか恋しく感じる。
最後のピアノの一音、その音は私たちを送り出してくれたように感じた。
式が終わりクラス写真を撮り終わったあと、母と2人で家に帰った。
「三年間あっという間だったね」
母の言葉に我慢していた涙が溢れた。
「うん」
「何泣いてるんよ笑高校も頑張ってね」
「ありがとう」
母とはあまり仲がいい方ではないが、私のことを応援してくれている。
そう思うと私は1人じゃないんだって思える。
私と母は久しぶりに手を繋ぎながら家へ帰った。
家に帰ってすぐにスマホを確認する。
これが毎日のお風呂よりも日課になっている。
先輩からのメッセージ、
「卒業式どうだった?」
「皆んなと会えるの最後って思ったら泣けてきたよ。」
先輩からの返信はすぐに返ってきた。
「元気ないね、映画の日程決めようよ」
そうだ映画だ、先輩と初めてお家や公園以外で会うのは初めて。
今から少し緊張してしまう。
「今週の土曜日とかどうかな!」
私の提案に先輩は
「ありだね!じゃあお昼頃に駅待ち合わせで!」
先輩との初めての映画デートが楽しみで仕方ない。
楽しみにしてくれてる先輩を様子をみると自然と笑みが溢れる。
「おっけー、すごく楽しみ!」
「いつまでベッドでゴロゴロしてるの?早くお風呂入って寝なさい!」
一階から母の声がする。
「やばい、もうこんな時間か。」
ふと部屋の時計に目をやると午後9時38分を指している。
「先輩私ちょっとお風呂入ってくるね。」
「…」
返事がない。画面を見るとミュートになっている。
「何かしてるのかな?」
不思議に思いながらも私は先輩の通話を切りお風呂に入った。
