「ねぇ、距離感がおかしいって気づきなよ」
 別にセイを意識しているわけじゃない。でも、セイは男の子で私は女。それは、変えられることない事実だし。まあ、困ったことと言えば重いだけ。
「別におかしくはないよ。ねぇ、今日はどうだった?」
 今日の出来事を頭に浮かべては打ち消す。
「セイに言うほどのことは何も」
 この教室は私たちだけ。だからこそ、話が続かない。
「そー、あっ」