突然の感想、失礼いたします。

沙雪の、いじめがトラウマでいまだに苦しむ気持ちと、同時に自分が「モブにすらなれない」というちっぽけな存在だからこそ、いじめだってそこまで激しくなかったのに、逃げて苦しんでいる自分への自己嫌悪のような気持ち、どちらも共感しやすくて、物語に入り込みやすかったです。
また、鳥取の観光地を使った凝った情景描写がさらに読者をストーリーに引き込んでくれます。(特に私が鬼太郎ファンだったのもあるかもしれませんが......。)
そして、TAIの言葉の優しいこと......。こんな存在がそばにいてくれたら、葛藤の思春期も少しは穏やかになるだろうなと思いました。素敵なキャラクターだと思います。
逃避行がメインテーマですが、ラストは光のある形で読後感も気持ちよかったです。

素敵な作品をありがとうございました！