それ故に、彼らは家督を継ごうとしなかった。今ならばそれが痛いほどに理解できる。むしろ、律哉だって借金のことがわかっていれば家督を継ぐのをためらっただろうから。
が、継いでしまった以上は仕方がない。兄の作った借金を返すしかない。
その一心で、律哉は日々がむしゃらに頑張った。けど、返せど返せど終わりの見えない借金。さすがにしびれを切らし、長年仕えてくれている家令を問い詰めた。
すると、彼は深々と頭を下げ、理由を教えてくれたのだ。
「先代さまは、質の悪い女性に引っ掛かっておりました。合わせ、賭博などを繰り返しておりまして……」
「つまり、その女性に貢ぎ、挙句賭博で作った借金だと?」
「はい……」
開いた口がふさがらないとは、まさにこのこと。
兄は真面目な人だった。だから、きっと。一度覚えた味を忘れられず、どんどん悪いほうへと溺れて行ったのだろう。
(止めなかった周囲にも問題がある。……だが、あの人は頑固だから。誰の言うことにも耳を貸さなかったんだろう)
合わせ、自分が家令たちを責めるのは違うような気がした。だって、家のことを兄に任せきり、邸宅に寄りつかなかった自分にも少なからず責任がある。……ならば、この家を立て直すのが、せめてもの償いだろう。
「わかった。借金は、俺がなんとしてでも返す」
「り、律哉さま……!」
「だが、どうにもお前らを雇っていられる余裕はなさそうだ。伝手を使って全員に新しい職場を紹介する」
律哉のその言葉に、家令は痛ましいものを見るような視線を送ってきた。でも、本当に使用人を雇う余裕はないのだ。
が、継いでしまった以上は仕方がない。兄の作った借金を返すしかない。
その一心で、律哉は日々がむしゃらに頑張った。けど、返せど返せど終わりの見えない借金。さすがにしびれを切らし、長年仕えてくれている家令を問い詰めた。
すると、彼は深々と頭を下げ、理由を教えてくれたのだ。
「先代さまは、質の悪い女性に引っ掛かっておりました。合わせ、賭博などを繰り返しておりまして……」
「つまり、その女性に貢ぎ、挙句賭博で作った借金だと?」
「はい……」
開いた口がふさがらないとは、まさにこのこと。
兄は真面目な人だった。だから、きっと。一度覚えた味を忘れられず、どんどん悪いほうへと溺れて行ったのだろう。
(止めなかった周囲にも問題がある。……だが、あの人は頑固だから。誰の言うことにも耳を貸さなかったんだろう)
合わせ、自分が家令たちを責めるのは違うような気がした。だって、家のことを兄に任せきり、邸宅に寄りつかなかった自分にも少なからず責任がある。……ならば、この家を立て直すのが、せめてもの償いだろう。
「わかった。借金は、俺がなんとしてでも返す」
「り、律哉さま……!」
「だが、どうにもお前らを雇っていられる余裕はなさそうだ。伝手を使って全員に新しい職場を紹介する」
律哉のその言葉に、家令は痛ましいものを見るような視線を送ってきた。でも、本当に使用人を雇う余裕はないのだ。

