【8.その後】
儀式から1か月後、アンナのもとに一つの小包が届いた。差出人の欄には「チョーク農場 バルカン・ハミルカルより」とある。
開けてみると、中からはごろごろと大きなジャガイモがでてきた。
しかも見事に均等な形をしていて、肌ツヤも良い。アンナとエマが目を輝かせて見ていると、手紙が同封されていた。
「このたびは世話になった。破邪の鍬で畑を耕してみたら、土がふかふかに仕上がり、驚くほど作物が育ちやすかった。これは聖なる力のおかげかもしれない。とにかく収穫物を送るので、みんなで食べてくれ。 ――バルカン」
アンナは「わあ、すごい! 『破邪の鍬』って農地を改良しちゃうんだ!」と興奮し、エマは「あのルーン文字が土壌を浄化してるのかもね。ますます食べてみるのが楽しみだわ」と微笑む。
さっそく神殿の休憩室で調理してみると、ジャガイモはホクホクで甘みが強く、噛むたびにバターの香りが広がる絶品。二人は「最高!」と顔を見合わせて大喜びする。
「バルカンさん、本当に新しい道を見つけたんだね。なんだか私たちも嬉しいよね、エマ」
「ええ、そうね。かつては拳でモンスターを殴り倒していた人が、今は鍬で土を耕して野菜を育てている。時代が変わった証拠だわ」
「うん……私たちも、これからも頑張って新しい道を探してあげよう! 同じように困っている冒険者の人、いっぱいいるだろうし!」
アンナのその言葉に、エマはクスリと笑って頷く。「そうね。拳聖でも農家になれるんだから、きっとハンマー戦士でもネイリストになれる日が来るかも」
「ははは、確かに! それはまだ想像つかないけど……でも、可能性はゼロじゃない、かも!」
二人はそんな他愛もない会話を交わしながら、バルカンが送ってくれたジャガイモ料理を頬張った。
かつては戦い一筋だった冒険者が、平和の中で第二の人生を見つける――そのドラマに携わることは、巫女として何よりの喜びであり、やりがいなのだ。
儀式から1か月後、アンナのもとに一つの小包が届いた。差出人の欄には「チョーク農場 バルカン・ハミルカルより」とある。
開けてみると、中からはごろごろと大きなジャガイモがでてきた。
しかも見事に均等な形をしていて、肌ツヤも良い。アンナとエマが目を輝かせて見ていると、手紙が同封されていた。
「このたびは世話になった。破邪の鍬で畑を耕してみたら、土がふかふかに仕上がり、驚くほど作物が育ちやすかった。これは聖なる力のおかげかもしれない。とにかく収穫物を送るので、みんなで食べてくれ。 ――バルカン」
アンナは「わあ、すごい! 『破邪の鍬』って農地を改良しちゃうんだ!」と興奮し、エマは「あのルーン文字が土壌を浄化してるのかもね。ますます食べてみるのが楽しみだわ」と微笑む。
さっそく神殿の休憩室で調理してみると、ジャガイモはホクホクで甘みが強く、噛むたびにバターの香りが広がる絶品。二人は「最高!」と顔を見合わせて大喜びする。
「バルカンさん、本当に新しい道を見つけたんだね。なんだか私たちも嬉しいよね、エマ」
「ええ、そうね。かつては拳でモンスターを殴り倒していた人が、今は鍬で土を耕して野菜を育てている。時代が変わった証拠だわ」
「うん……私たちも、これからも頑張って新しい道を探してあげよう! 同じように困っている冒険者の人、いっぱいいるだろうし!」
アンナのその言葉に、エマはクスリと笑って頷く。「そうね。拳聖でも農家になれるんだから、きっとハンマー戦士でもネイリストになれる日が来るかも」
「ははは、確かに! それはまだ想像つかないけど……でも、可能性はゼロじゃない、かも!」
二人はそんな他愛もない会話を交わしながら、バルカンが送ってくれたジャガイモ料理を頬張った。
かつては戦い一筋だった冒険者が、平和の中で第二の人生を見つける――そのドラマに携わることは、巫女として何よりの喜びであり、やりがいなのだ。
