以上がゲーム業界の七不思議と呼ばれているものであるが、本書の本題はここからである。実はこの七不思議は全て本当にあった話なのではないかという噂がまことしやかに囁かれている。俄かには信じがたい話であり、筆者も噂の出所は一体どこか探ろうとした程度の思惑で調査を始めたのだが、調べれば調べるほど真実だと思いたくなるような奇妙な符合が見られるのだ。一つずつお話ししたい。



 ひとつめ、霊界探偵さゆりだが、このタイトルについては冒頭でお話しした本物の人身事故の写真が使われているのではないかという噂について調査した。先にお断りを入れておくが、本物の心霊写真を使っているかどうかという件に関しては検証しようがないため触れないことをご了承いただきたい。

 まず場所については背景から簡単に推測することができる。京王井の頭線の神泉駅である。

 次に事故の発生日時と身元を特定したかったが、基本的に人身事故は身元が公開されない。そこで鉄道人身事故データベースというサイトを活用した。このサイトには駅ごとに過去起きた人身事故がリストアップされており、運が良ければ詳細な情報が書いてある。2024年11月現在までに神泉駅の人身事故として登録されているのは3件である。そこには日時と被害者の性別、年齢が記載されていた。挙がっていたのは20歳女性、16歳男性、18歳男性とどれも若い人ばかりであった。

 ダメ元で試したのがSNSでの検索である。被害者が10代程度の場合、自死の直前にSNSでこれから決行するなどの投稿をしている可能性があると思ったからである。正確には霊界探偵さゆりの発売当時はXなどのSNSがまだ普及していない時代であったが、ガラケー向けの日記サイトなどが残っている可能性があった。結論から言うと大当たりだ。当時は今よりネットリテラシーが低かった時代だったためか、本名と期間で絞るとすぐに16歳の男子学生のものと思われる日記を見つけることができた。



 「このままじゃだめだ もう終わらせなきゃ」そんな言葉が彼の最後の投稿だった。投稿日時も事故発生日と合致する。その前の投稿はサッカーW杯のスタメン予想に関する投稿。その前は朝起きるのがつらく部活に行きたくない旨の投稿。プロフィールのページには学生服姿のプリクラを撮影したであろうものが掲載されていた。どこからどう見ても普通の高校生でしかなく、これから死ぬ子のものには見えない。それ以上遡るのは筆者の精神力の都合で叶わなかった。

 ライターとして、この本を書く者としてやらなければいけないことがある。改めて霊界探偵さゆりの人身事故の写真を見てみる。上体に纏われた学生服から特定できるかと考えていたが、その必要はなかった。そこには先ほど見たサッカー少年と同じ顔の首が転がっていたからである。

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[メモ]
うっわぁあああああマジ無理かもこれ…
子供の死体はキッツいわ勘弁してくれ…

身元の特定方法まで書いたらまずい?
→まぁいいか。別に普通にサイトで公開されてるもんだし