あなたと出会った瞬間、ずっと会いたかった大事な人に再会したような、そんな気がした。
そして、今度こそきちんと自分の気持ちを伝えなきゃって思ったんだ。
不思議だよね。
だって、あの時の私は、本当に初めてあなたに出会ったばかりだったから……。
***
高等部に上がった。といっても、中等部からの持ちあがりの私は、緊張感もなく学校に向かっていた。そのせいか学校に着いたのは、始業時間ギリギリ。
正門を過ぎてすぐの場所にある掲示板で、慌てて自分の名前だけを確認。南棟1階の1Eの教室に足を踏み入れた。
すると、教室内はすでにざわざわとした人の波。
中には知らない顔がいくつも混じっていて、急にいつもの学校じゃない新しい場所のように感じられた。
内部進学の私たちと違って、外部から来た生徒たちは、まるで別の星からやってきたみたいに見えたのだ。
同じ教室、同じ制服。それでも、同じ空気を吸っていない感じがするのはなんでだろう。
急に緊張感が増した。
人の波の間をすり抜け、出席番号順に割り当てられた席に腰掛けると、あたりをぐるりと見渡す。
けれど、そこには中等部で仲良くしていた五人の女友だちの姿はない。
別々のクラスになったんだ……。
それが分かると急にこのクラスが色褪せて見える。
話せる子はいたけれど、それは「友だち」ではなく、「知っている人」に過ぎなかった。
「和奏(わかな)、お前も1Eだったのかよ」
ふいに聞こえた声に、私はほっとした。
隣の席に目を向ければ、幼馴染の野辺理音(のべりおん)――みんなから「ノーベル」と呼ばれる彼が座っていた。
身長がずいぶん伸びて、声も低くなって、昔と変わったところばかりなのに、目元の丸い雰囲気だけはずっとそのままだ。
「ノーベル! 一緒のクラスだったんだ! よかった」
私が笑うと、彼はちょっとだけ眉をしかめた。
「その呼び方、いい加減やめろよ」
「だって、学校中でノーベルって呼ばれてるじゃん。私だけじゃないんだし」
「それを広めたのお前だろ」
他愛ないやりとりが続く中、ふいに教室の前のドアが開いた。
私の視線は自然とそちらに引き寄せられた。そして、その瞬間、動けなくなった。
身長はノーベルと同じくらい。黒髪に、意志の強そうな眉と綺麗な目をした、高校一年生とは思えないほど落ち着いた雰囲気の男子が入って来たところだった。
間違いなく初めて見る顔だったはずなのに。
――ずっと会いたかった。ずっと、ずっと……。
私の頭の中からは、なぜかそんな声が聞こえたのだ。
「和奏? どうした?」
ノーベルが心配そうに声をかけてくる。
「いや……」
思わずすぐに、その子の名札を見た。
【鷲尾(わしお)】
心の中でその名前を何度も繰り返す。
わしおくん、鷲尾くん――。
名前も不思議と懐かしい感じがして、じんわり胸の中に染み込んでくる。自然と笑顔になる。
でも隣のノーベルは私とは全然違っていた。
「あいつ……なんだか……」
そう呟いた彼の横顔は、いつもと違う険しさをまとっていた。
私はその違和感に気づくこともなく、鷲尾くんの一挙一動に目を凝らしていた。
鷲尾くんの席は、窓際の一番うしろ。
彼は慣れたようにその席まで歩き、すっと綺麗な所作で席に着いた。
それを見ているだけで、彼への気持ちが自分の全身にくまなく行き渡っていく。
今、初めて自分に芽生えた感情は、今まで知らない感情だったはずなのに、ずっと前から知っていたような……そんな不思議な気分だった。
***
担任の先生は緑川真知子(みどりかわまちこ)先生だった。
中等部・高等部合同の体育祭の練習のとき、誰よりも大きな声で怒鳴り散らしていたのが印象的で、一発で覚えた先生だ。
ツヤツヤの黒髪をショートカットにして、にっと笑う顔からは元気が溢れてる。紹介の中で「専門は体育」と言ったときは「だろうな」と全員が心の中でうなずいたと思う。見た目そのままの人だ。
先生の紹介が終わると、クラス全員で簡単な自己紹介をすることになった。
「名前と出身校、それから趣味や特技を一つ以上言ってね!」
先生の言葉に、全員が「うわ、マジかよ」という顔をしている。
内心で大きなため息をついていると、最初は中学から顔を知っている相川実里(あいかわみのり)が立ち上がった。
「相川実里、附属中からの持ちあがりです。特技は小学校から続けている水泳で、高校でも水泳部に入ろうと思っています。それから、Kポップアイドルユニットのアストラルが大好きで、毎日動画を見てます。もし好きな人がいたら、一緒にコンサートに行きましょう! よろしくお願いします!」
実里の声は大きく、はっきりしていて、教室中から自然と拍手が湧き起こる。
その拍手の音を聞きながら、私は密かにまた後ろの席に目をやった。
鷲尾くんも、穏やかな笑顔で拍手をしているのが見えた。
彼の笑顔が実里に向けられたものだと思うと、なんだか落ち着かない。
そして、私はその時になって初めて、自分に特技が欲しいと思った。趣味の話だって、アストラルみたいな今どきのトレンドを一つくらい知っておけばよかった。
そんなことを考えているうちに、ノーベルの番がきた。
「野辺理音、附属中からの持ちあがり。特技は何時間でも起きられるし、何時間でも眠れることです。以上」
ノーベルはいつもの調子で、やる気のなさそうな声だった。
クラス中から微妙に困惑した笑い声が漏れる。私はそんな雰囲気を消そうとするみたいに大きな拍手をした。
ちらりと鷲尾くんを見ると、彼がノーベルをじっと見つめていた。
――いや、見つめるというよりは、何かを確認するみたいな顔だ。
その表情を見て、私は思わずノーベルに聞いてみたくなった。こっそりノーベルに声をかける。
「ねえ、ノーベル、鷲尾くんのこと知ってるの?」
「知らねえよ。会ってたら覚えてる」
確かに彼はどんな昔でも一度会った人は忘れない、天才なのだ。ノーベルは続ける。
「でもなんだか、胸の辺りがザワザワして……」
「それって懐かしいとか、会いたかったとか、そういう感じ?」
まさか私と同じだろうか。
そう思って聞いたのに、彼は少し考えて首を横に張った。
「違う。なんか嫌な感じがするんだ」
ノーベルがそんなことを言うなんて珍しい。
彼は基本的に人に興味がない。それが急に「嫌な感じ」とか言い出すなんて、余計に気になる。
そんなことを話している間に、私の番がやってきた。名字を呼ばれて慌てて立ち上がる。
「ほっ、星野和奏です。附属中からです。特技は……ありません。趣味も……これから探したいと思ってますっ」
声が緊張でひっくり返った。
クラス中が小さな拍手をしてくれるけど、自分が情けなくて仕方ない。なんでこんなに準備不足だったんだろう。もうちょっと考えておけばよかった。
それに比べて最後の鷲尾くんは堂々たるものだった――。
「鷲尾睦月(むつき)です。これまではUniversity of Eastern Californiaにいました。趣味はありません。よろしくお願いします」
発音が良すぎて、一瞬クラス全員が固まる。
ノーベルが珍しく驚いた顔をしているのを見て、私もつられて「えっ、何? どういうこと?」と小声で聞いた。
「Universityくらいバカでもわかるだろ! あいつ、アメリカの大学にいたんだよ! UECは、飛び級の制度が充実してて、中学生でも合格さえすれば大学で学べるし、卒業もできるんだよ!」
「えっ、大学?」
私が驚いている間も、周りの女子たちは鷲尾くんを興味津々に見ている。
彼の端整な顔と落ち着いた雰囲気に、クラスの注目は完全に集中していた。
心が勝手に慌てだして、先生が何か話してる声も全く聞こえないほどの焦燥感に襲われる。
焦る気持ちを抑えきれないまま、ホームルームが終わると同時に私は立ち上がっていた。自分でも驚くくらいの勢いで鷲尾くんの席に向かう。
「あの、鷲尾くん!」
彼は少し驚いた顔でこちらを見上げた。
その表情を間近で見て、私は胸が高鳴るのを感じる。
ぎゅっと自分の手を握った瞬間、頭の中で声が響く。
――早く、伝えて!!!!
「私……私、鷲尾くんが好きです!」
教室中が一瞬、静まり返った。
私だって自分の言葉が信じられなかった。たぶん中学から知っている子たちも同じような感想だっただろう。
私はこれまでこんな大胆な発言をするタイプでも、みんなの前で大声を出せるタイプでもなかったから。
けれど、目の前の鷲尾くんは、ほんの一瞬だけど泣きそうな笑顔を見せた。そして表情を戻して、慎重に口を開いた。
「……とりあえず、今日、一緒に帰らない?」
次は私が驚く番だ。
一気に頬が熱くなる。緊張していた教室の空気も、一気にざわめきに変わった。
「う、ん……うんっ!」
私はそう言いながら何度も頷いた。
ちょうど教室を、窓からさす温かな日ざしが包み込んだ。 まだ少し肌寒い冬の残りの気配を押しのけるように、春の日差しが舞い込んで、めいっぱい幸せな気分になる。
――よかった! ちゃんと言えた!
しかし、その日の帰り道、私は彼に告白を断られる。彼は決して誰とも付き合う気はないと言った。
私は何も知らず、その後もただ彼への思いを募らせていく。
彼の持つ過去や、彼がなぜここに来たのかも…。
自分の放った言葉の、本当の意味も何も知らないまま――。
そして、今度こそきちんと自分の気持ちを伝えなきゃって思ったんだ。
不思議だよね。
だって、あの時の私は、本当に初めてあなたに出会ったばかりだったから……。
***
高等部に上がった。といっても、中等部からの持ちあがりの私は、緊張感もなく学校に向かっていた。そのせいか学校に着いたのは、始業時間ギリギリ。
正門を過ぎてすぐの場所にある掲示板で、慌てて自分の名前だけを確認。南棟1階の1Eの教室に足を踏み入れた。
すると、教室内はすでにざわざわとした人の波。
中には知らない顔がいくつも混じっていて、急にいつもの学校じゃない新しい場所のように感じられた。
内部進学の私たちと違って、外部から来た生徒たちは、まるで別の星からやってきたみたいに見えたのだ。
同じ教室、同じ制服。それでも、同じ空気を吸っていない感じがするのはなんでだろう。
急に緊張感が増した。
人の波の間をすり抜け、出席番号順に割り当てられた席に腰掛けると、あたりをぐるりと見渡す。
けれど、そこには中等部で仲良くしていた五人の女友だちの姿はない。
別々のクラスになったんだ……。
それが分かると急にこのクラスが色褪せて見える。
話せる子はいたけれど、それは「友だち」ではなく、「知っている人」に過ぎなかった。
「和奏(わかな)、お前も1Eだったのかよ」
ふいに聞こえた声に、私はほっとした。
隣の席に目を向ければ、幼馴染の野辺理音(のべりおん)――みんなから「ノーベル」と呼ばれる彼が座っていた。
身長がずいぶん伸びて、声も低くなって、昔と変わったところばかりなのに、目元の丸い雰囲気だけはずっとそのままだ。
「ノーベル! 一緒のクラスだったんだ! よかった」
私が笑うと、彼はちょっとだけ眉をしかめた。
「その呼び方、いい加減やめろよ」
「だって、学校中でノーベルって呼ばれてるじゃん。私だけじゃないんだし」
「それを広めたのお前だろ」
他愛ないやりとりが続く中、ふいに教室の前のドアが開いた。
私の視線は自然とそちらに引き寄せられた。そして、その瞬間、動けなくなった。
身長はノーベルと同じくらい。黒髪に、意志の強そうな眉と綺麗な目をした、高校一年生とは思えないほど落ち着いた雰囲気の男子が入って来たところだった。
間違いなく初めて見る顔だったはずなのに。
――ずっと会いたかった。ずっと、ずっと……。
私の頭の中からは、なぜかそんな声が聞こえたのだ。
「和奏? どうした?」
ノーベルが心配そうに声をかけてくる。
「いや……」
思わずすぐに、その子の名札を見た。
【鷲尾(わしお)】
心の中でその名前を何度も繰り返す。
わしおくん、鷲尾くん――。
名前も不思議と懐かしい感じがして、じんわり胸の中に染み込んでくる。自然と笑顔になる。
でも隣のノーベルは私とは全然違っていた。
「あいつ……なんだか……」
そう呟いた彼の横顔は、いつもと違う険しさをまとっていた。
私はその違和感に気づくこともなく、鷲尾くんの一挙一動に目を凝らしていた。
鷲尾くんの席は、窓際の一番うしろ。
彼は慣れたようにその席まで歩き、すっと綺麗な所作で席に着いた。
それを見ているだけで、彼への気持ちが自分の全身にくまなく行き渡っていく。
今、初めて自分に芽生えた感情は、今まで知らない感情だったはずなのに、ずっと前から知っていたような……そんな不思議な気分だった。
***
担任の先生は緑川真知子(みどりかわまちこ)先生だった。
中等部・高等部合同の体育祭の練習のとき、誰よりも大きな声で怒鳴り散らしていたのが印象的で、一発で覚えた先生だ。
ツヤツヤの黒髪をショートカットにして、にっと笑う顔からは元気が溢れてる。紹介の中で「専門は体育」と言ったときは「だろうな」と全員が心の中でうなずいたと思う。見た目そのままの人だ。
先生の紹介が終わると、クラス全員で簡単な自己紹介をすることになった。
「名前と出身校、それから趣味や特技を一つ以上言ってね!」
先生の言葉に、全員が「うわ、マジかよ」という顔をしている。
内心で大きなため息をついていると、最初は中学から顔を知っている相川実里(あいかわみのり)が立ち上がった。
「相川実里、附属中からの持ちあがりです。特技は小学校から続けている水泳で、高校でも水泳部に入ろうと思っています。それから、Kポップアイドルユニットのアストラルが大好きで、毎日動画を見てます。もし好きな人がいたら、一緒にコンサートに行きましょう! よろしくお願いします!」
実里の声は大きく、はっきりしていて、教室中から自然と拍手が湧き起こる。
その拍手の音を聞きながら、私は密かにまた後ろの席に目をやった。
鷲尾くんも、穏やかな笑顔で拍手をしているのが見えた。
彼の笑顔が実里に向けられたものだと思うと、なんだか落ち着かない。
そして、私はその時になって初めて、自分に特技が欲しいと思った。趣味の話だって、アストラルみたいな今どきのトレンドを一つくらい知っておけばよかった。
そんなことを考えているうちに、ノーベルの番がきた。
「野辺理音、附属中からの持ちあがり。特技は何時間でも起きられるし、何時間でも眠れることです。以上」
ノーベルはいつもの調子で、やる気のなさそうな声だった。
クラス中から微妙に困惑した笑い声が漏れる。私はそんな雰囲気を消そうとするみたいに大きな拍手をした。
ちらりと鷲尾くんを見ると、彼がノーベルをじっと見つめていた。
――いや、見つめるというよりは、何かを確認するみたいな顔だ。
その表情を見て、私は思わずノーベルに聞いてみたくなった。こっそりノーベルに声をかける。
「ねえ、ノーベル、鷲尾くんのこと知ってるの?」
「知らねえよ。会ってたら覚えてる」
確かに彼はどんな昔でも一度会った人は忘れない、天才なのだ。ノーベルは続ける。
「でもなんだか、胸の辺りがザワザワして……」
「それって懐かしいとか、会いたかったとか、そういう感じ?」
まさか私と同じだろうか。
そう思って聞いたのに、彼は少し考えて首を横に張った。
「違う。なんか嫌な感じがするんだ」
ノーベルがそんなことを言うなんて珍しい。
彼は基本的に人に興味がない。それが急に「嫌な感じ」とか言い出すなんて、余計に気になる。
そんなことを話している間に、私の番がやってきた。名字を呼ばれて慌てて立ち上がる。
「ほっ、星野和奏です。附属中からです。特技は……ありません。趣味も……これから探したいと思ってますっ」
声が緊張でひっくり返った。
クラス中が小さな拍手をしてくれるけど、自分が情けなくて仕方ない。なんでこんなに準備不足だったんだろう。もうちょっと考えておけばよかった。
それに比べて最後の鷲尾くんは堂々たるものだった――。
「鷲尾睦月(むつき)です。これまではUniversity of Eastern Californiaにいました。趣味はありません。よろしくお願いします」
発音が良すぎて、一瞬クラス全員が固まる。
ノーベルが珍しく驚いた顔をしているのを見て、私もつられて「えっ、何? どういうこと?」と小声で聞いた。
「Universityくらいバカでもわかるだろ! あいつ、アメリカの大学にいたんだよ! UECは、飛び級の制度が充実してて、中学生でも合格さえすれば大学で学べるし、卒業もできるんだよ!」
「えっ、大学?」
私が驚いている間も、周りの女子たちは鷲尾くんを興味津々に見ている。
彼の端整な顔と落ち着いた雰囲気に、クラスの注目は完全に集中していた。
心が勝手に慌てだして、先生が何か話してる声も全く聞こえないほどの焦燥感に襲われる。
焦る気持ちを抑えきれないまま、ホームルームが終わると同時に私は立ち上がっていた。自分でも驚くくらいの勢いで鷲尾くんの席に向かう。
「あの、鷲尾くん!」
彼は少し驚いた顔でこちらを見上げた。
その表情を間近で見て、私は胸が高鳴るのを感じる。
ぎゅっと自分の手を握った瞬間、頭の中で声が響く。
――早く、伝えて!!!!
「私……私、鷲尾くんが好きです!」
教室中が一瞬、静まり返った。
私だって自分の言葉が信じられなかった。たぶん中学から知っている子たちも同じような感想だっただろう。
私はこれまでこんな大胆な発言をするタイプでも、みんなの前で大声を出せるタイプでもなかったから。
けれど、目の前の鷲尾くんは、ほんの一瞬だけど泣きそうな笑顔を見せた。そして表情を戻して、慎重に口を開いた。
「……とりあえず、今日、一緒に帰らない?」
次は私が驚く番だ。
一気に頬が熱くなる。緊張していた教室の空気も、一気にざわめきに変わった。
「う、ん……うんっ!」
私はそう言いながら何度も頷いた。
ちょうど教室を、窓からさす温かな日ざしが包み込んだ。 まだ少し肌寒い冬の残りの気配を押しのけるように、春の日差しが舞い込んで、めいっぱい幸せな気分になる。
――よかった! ちゃんと言えた!
しかし、その日の帰り道、私は彼に告白を断られる。彼は決して誰とも付き合う気はないと言った。
私は何も知らず、その後もただ彼への思いを募らせていく。
彼の持つ過去や、彼がなぜここに来たのかも…。
自分の放った言葉の、本当の意味も何も知らないまま――。


