■美咲さんとの会話
「どの新聞社も大体似たような内容ですね。あっ、この下半身の外傷というのはなんでしょう?敦也さんはどこか怪我をされていたんですか?」
「あぁ……ちょっと言いずらいんですけど……」
「なるほど。話したくないこともあると思うので、無理強いはしません。ですが、その……美咲さんが探している方に辿り着くためには、情報はひとつでも多い方がいいので話していただけたらありがたいです」
「えっと、実は……性器がなかったんです」
「はい?」
「亡くなったあっくんに性器がついていなかったんです」
「ま、待ってください。それはどういうことですか?」
「あっくんがハサミで切ったみたいです」
「え!?」
「うちの息子、今三歳で年少さんなんです。あっくんが亡くなった当時、幼稚園が夏休みでお道具箱を持って帰っていたんです。その中に入ってたハサミで自分の性器を切ったって警察の人に言われました」
「そんな……。ですが、警察はどうして自殺と断定したんですか?」
「警察の人の話に聞いただけですけど、あっくん……右手にハサミを左手に自分の切り取った性器を握って倒れてたって。あんな切れの悪いハサミで切ったから、断面がガタガタで最後は無理やり引きちぎったんだろうって。……そんなこといくら自殺だからって普通できます?」
「いえ、想像もできません……。えっと、敦也さんの死因はなんだったんですか?」
「失血死です」
「……それでも、警察は自殺ではないと?」
「はい。警察の人も明らかにおかしな状況だから色々調べてくれたんですけど、第三者の関与は認められないって結論を出したみたいで……」
「そうでしたか……あ、この『男性の自宅に自殺をうかがわせるようなもの』という記載がありますが、こちらは?」
「ちょっと待っててください、隣の部屋にあるので持ってきます」
「どの新聞社も大体似たような内容ですね。あっ、この下半身の外傷というのはなんでしょう?敦也さんはどこか怪我をされていたんですか?」
「あぁ……ちょっと言いずらいんですけど……」
「なるほど。話したくないこともあると思うので、無理強いはしません。ですが、その……美咲さんが探している方に辿り着くためには、情報はひとつでも多い方がいいので話していただけたらありがたいです」
「えっと、実は……性器がなかったんです」
「はい?」
「亡くなったあっくんに性器がついていなかったんです」
「ま、待ってください。それはどういうことですか?」
「あっくんがハサミで切ったみたいです」
「え!?」
「うちの息子、今三歳で年少さんなんです。あっくんが亡くなった当時、幼稚園が夏休みでお道具箱を持って帰っていたんです。その中に入ってたハサミで自分の性器を切ったって警察の人に言われました」
「そんな……。ですが、警察はどうして自殺と断定したんですか?」
「警察の人の話に聞いただけですけど、あっくん……右手にハサミを左手に自分の切り取った性器を握って倒れてたって。あんな切れの悪いハサミで切ったから、断面がガタガタで最後は無理やり引きちぎったんだろうって。……そんなこといくら自殺だからって普通できます?」
「いえ、想像もできません……。えっと、敦也さんの死因はなんだったんですか?」
「失血死です」
「……それでも、警察は自殺ではないと?」
「はい。警察の人も明らかにおかしな状況だから色々調べてくれたんですけど、第三者の関与は認められないって結論を出したみたいで……」
「そうでしたか……あ、この『男性の自宅に自殺をうかがわせるようなもの』という記載がありますが、こちらは?」
「ちょっと待っててください、隣の部屋にあるので持ってきます」

