■2022年11月4日1時23分 X君からの留守電を文字に起こしたもの
●●さん!?ああ、もうなんで電話に出てくれないんだよ!
ヤバいんだよ、本当にヤバい……。
この電話を聞いたら今すぐ折り返して。
今、自宅の駐車場の車の中にいる。
アイツが来たんだよ、今日、アイツが。
いないんだけど、いるんだよ。
ずっと俺のすぐそばにいるんだよ、アイツが。
悪いのは俺じゃないんだよ、俺は直接手を下してない。
だって、しょうがなかったんだよ。
ハァハァハァ……。ずっと気付かないふりしてたんだ……。
だって、そうしないと頭がおかしくなりそうだったから……。
あれから十年近く経ってるんだぞ……!?なのに、なんで今なんだよ。
俺、あれ以上アイツらのイジメに耐えられなかったんだ。
なんとか抗ったよ、でも逃げられなかった。
自分を守るためにはもうああするしかなかったんだよ。
あなたは分かってくれるよね、俺の気持ち。
死ねってずっと言われてるんだよ。
ああ、本当にもうマジでなんなんだよ!
ごめんなさいごめんなさい、俺が悪かったよ!
ああ、もう止まらない。言いたくないのに、考えたくないのに。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
ああ!分かったよ!俺……あなたに嘘ついた。
これは呪いだよ。アイツの呪いだ……!
俺たちはアイツを……。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!
ああ、なんで……こんなことしたくないのに――。
ライターが……。ダメだ、手が勝手に……。
やめろ、やめろ。たすけ………
苦しい、苦しくてたまらない……!
ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさ……ごめ……い……。
苦し……い……
――ぎゃぁぁぁぁあぁああ!!

