私の名前は平山憲明と申します。心良き人間でございます。
 
 こちらの文章群は先日、富士山中にて発見されたとあるご遺体の所持品から、私のものだとして私の住所へ警察から届けられた荷物の中にあったUSBメモリーに記録されていた音声記録、手帳に残されていたメモなどのとある奇妙な内容の記録を私が文字に起こし、小説としたものです。

 発見されたご遺体については、損傷が激しく、個人の特定が出来ていないとのことですが、手足の骨の長さや長い黒髪が所持品に付着していたことから30~40歳の女性である可能性が高いとのことです。

 なぜご遺体の所持品が私の元へ届いたのか?それは不可解ながら所持品の中にあった免許証やマイナンバーカードの写真、氏名、住所は私と完全に一致していたためです。
 
 ご遺体の名前は、平山憲明。
 
 私はこれらの記録について一切の認知をしておらず、またここ最近で富士山へ登ったこともありませんし、ご遺体についても全く心当たりがありません。

 私は、音声の内容や手帳をひととおり拝見しましたが、それらが創作なのか、どこかで本当にあった出来事か、訳のわからない妄想なのかを判断することができませんでした。

 しかしながらそれらのテキストはエビデンスのあるなしに関わらず、記録者の執念のようなものを感じました。そこで、これらの文章を私の方で小説形式にしてネットにアップすることにしました。

 それによって読者の皆様の集合知によって、あのご遺体が何を伝えたいのか、これから何が起こるのかを皆様に考察していただきたいのです。
 
 それでは、どうかよろしくお願いします。