私が生まれたのは暑い夏の日だった
人より少しだけ小さく生まれた私
生まれたときからお母さんと二人だけだった
お父さんは私がお腹にいる頃に他の人と不倫してお母さんとは離婚したんだって
それでもお母さんはたった一人の私のために毎日毎日、365日夜まで働いてくれていた
仕事も休めないのに私が体調を崩すと1秒でも長く私のそばにいようとしてくれていた
でも、私の年齢が上がるにつれてそんな優しいお母さんもだんだんと変わっていった

小学2年生の頃…
────────────

夜中ようやく帰ってきたお母さん。

「お母さん……おかえり…あの…今度の参観日…」
「うっさいわね!話しかけんなっつってんだろ!!」
「ごめん…あ…でも、このプリント…」
「さっさと…消えろ…たい…」

そんな毎日だった。でもとある日そんなお母さんが急に昔のお母さんに戻ったような感じがした日があった

その日はお母さんが鼻歌を歌いながら

「陽〜!ただいまー!」
「え……?お母さん…?おか…えり…」
「陽!ご飯食べたー?」
「食べ…た…よ…」
「そっか〜!ってかこれからお母さんちょっと遠くに出かけるから…陽も…おいで、?」
「い、行かない…待ってる…気をつけてね」

嫌な予感はしていた
その日からお母さんが帰ってこなくなった

────────────


その後すぐに児童施設に入れられてお母さんが自殺したと告げられた
高校生になった今でもその日のお母さんの顔を忘れれない
会いたいな…