【民俗学研究者からのメール】


 お世話になっております。

 例のお札の件ですが、調べたところ、東南アジアの某国に伝わる古いまじないに使われるものかと思われます。
 ですが、大きくアレンジを加えられています。

 中央にある、太陽と人間を組み合わせたマークは『生命力』を意味しています。
 そして文字は、ご指摘のとおりくずし文字ですが、一般的に使用される青蓮院流とはまったく異なります。
 くずし文字にも流派があるのですが、これはかなりマイナーなものですね。

 文字は、『口』、『及』、『貝』、『守(?)』と書かれてあります。

 『守(?)』としたのは、書き順6番目の『、』がないからです。

 このお札の本来の効用は、病気治癒です。
 手元にある文献によると「札に横たはらば病おこたる」――つまり、病気で寝たきりの人の敷きものに貼り、自然界に存在する生命力を頂戴して治すという使い方です。

 ゆえに本来書かれるはずの文字は、現地の言葉で『平癒』などなのですが……

 どんな目的で作られたのかは、わたくしにもわかりかねます。
 お役に立てず申し訳ございません。