「リオ。食事を摂らなかったようだな。大丈夫か?」
レオナールは、里桜に優しく話しかける。
「義父上が、リオが作った中でも特に美味しかったと教えてくれたシャリアピンステーキを作ってきた。料理人ではなく俺が作ったんだ。リナが良く作り方を覚えていてくれたおかげで。まぁ、殆どリナが作ったんだが…どうだ?食べてみないか?」
レオナールは、ステーキを小さく一口大に切り、里桜に差し出した。里桜は口を開けようともしない。レオナールはフォークとナイフを置いて、里桜の手を握る。
「済まなかった。ただ、何日も目を覚まさず、やっと目を覚ましたリオに本当の事が言えなかった。もう少し体調が回復したら話そうと思っていたんだ。結果、こんな形で耳に入れてしまいリオを傷付けたこと、申し訳なく思っている。」
里桜は、力なく首を振った。
「では、アリーチェ様は?」
「リオに毒を盛ったのはアリーチェの企みではなかったようだ。彼女の侍女の独断だった。しかし、彼女に侍る者が起こしたことだ。アリーチェに何の咎もないとは言えず、今は幽閉されている。」
「王子と王女は?」
「フェルナンはベルナルダが母代わりになることに。テレーズは来月にはゲウェーニッチからの迎えが来て、あちらで育つことになった。」
「フェルナンはあの幼さで家族を失ったのですか?陛下はご自身のお子様が…良いのですか?アリーチェ様は関係していなかったのでしょう?幽閉など…」
「もし、リオ個人がアリーチェの事を許したとしても、アリーチェを恩赦する事など出来ない。リオは王妃で、王妃暗殺は未遂だったとしても極刑。アリーチェ付きの侍女が企んだのであれば、アリーチェも同罪だ。」
「そんな…」
「では、リオはリナが何か間違った企てをしたとして、リナの事は自分に関係ないと言えるのか?」
「…無関係とは言えません。何か間違ったことをしたとしても、リナならばきっと私を思ってした事ですから。そもそも、そんな事をしませんが。」
「アリーチェも同じだろう。何の言い訳もしなかった。」
「だから、最近リナやアナスタシアが過保護だったんですね。」
「過保護だったか?」
「どこへ行くのも必ずどちらかが付いてきて、一人にしてくれませんでした。」
「リオが目覚めない間、二人は見ているのが辛くなるほどに自分たちを責めていた。リオに辛い思いをさせて本当に済まなかった。」
「陛下。そんなにご自分を責めないで下さいね。アルフレードから大まかなことは聞きました。私が口にしたイルフロッタントに毒が入っていたと。陛下のせいではありませんよ。自ら食べさせた物に毒が入っていて、きっと陛下はご自分を責めたでしょう?結局私はこうして生きています。だから…」
里桜は、レオナールを優しく抱きしめた。
「ご自分をこれ以上責めないで下さいね。」
「どちらが癒やされているのかわからないな。」
「自分が命を狙われたなんて、耳にした時は驚いて動揺もしましたが。私以上に周りを辛い目に遭わせていたんだと。倒れて、意識を戻さない私を見守るのはみんな辛かったでしょうね。私はただ眠っているだけだったから。これからは、自分の命にもっと責任を持ちますね。ご心配をおかけして申訳ありませんでした。陛下。」
レオナールは、里桜に優しく話しかける。
「義父上が、リオが作った中でも特に美味しかったと教えてくれたシャリアピンステーキを作ってきた。料理人ではなく俺が作ったんだ。リナが良く作り方を覚えていてくれたおかげで。まぁ、殆どリナが作ったんだが…どうだ?食べてみないか?」
レオナールは、ステーキを小さく一口大に切り、里桜に差し出した。里桜は口を開けようともしない。レオナールはフォークとナイフを置いて、里桜の手を握る。
「済まなかった。ただ、何日も目を覚まさず、やっと目を覚ましたリオに本当の事が言えなかった。もう少し体調が回復したら話そうと思っていたんだ。結果、こんな形で耳に入れてしまいリオを傷付けたこと、申し訳なく思っている。」
里桜は、力なく首を振った。
「では、アリーチェ様は?」
「リオに毒を盛ったのはアリーチェの企みではなかったようだ。彼女の侍女の独断だった。しかし、彼女に侍る者が起こしたことだ。アリーチェに何の咎もないとは言えず、今は幽閉されている。」
「王子と王女は?」
「フェルナンはベルナルダが母代わりになることに。テレーズは来月にはゲウェーニッチからの迎えが来て、あちらで育つことになった。」
「フェルナンはあの幼さで家族を失ったのですか?陛下はご自身のお子様が…良いのですか?アリーチェ様は関係していなかったのでしょう?幽閉など…」
「もし、リオ個人がアリーチェの事を許したとしても、アリーチェを恩赦する事など出来ない。リオは王妃で、王妃暗殺は未遂だったとしても極刑。アリーチェ付きの侍女が企んだのであれば、アリーチェも同罪だ。」
「そんな…」
「では、リオはリナが何か間違った企てをしたとして、リナの事は自分に関係ないと言えるのか?」
「…無関係とは言えません。何か間違ったことをしたとしても、リナならばきっと私を思ってした事ですから。そもそも、そんな事をしませんが。」
「アリーチェも同じだろう。何の言い訳もしなかった。」
「だから、最近リナやアナスタシアが過保護だったんですね。」
「過保護だったか?」
「どこへ行くのも必ずどちらかが付いてきて、一人にしてくれませんでした。」
「リオが目覚めない間、二人は見ているのが辛くなるほどに自分たちを責めていた。リオに辛い思いをさせて本当に済まなかった。」
「陛下。そんなにご自分を責めないで下さいね。アルフレードから大まかなことは聞きました。私が口にしたイルフロッタントに毒が入っていたと。陛下のせいではありませんよ。自ら食べさせた物に毒が入っていて、きっと陛下はご自分を責めたでしょう?結局私はこうして生きています。だから…」
里桜は、レオナールを優しく抱きしめた。
「ご自分をこれ以上責めないで下さいね。」
「どちらが癒やされているのかわからないな。」
「自分が命を狙われたなんて、耳にした時は驚いて動揺もしましたが。私以上に周りを辛い目に遭わせていたんだと。倒れて、意識を戻さない私を見守るのはみんな辛かったでしょうね。私はただ眠っているだけだったから。これからは、自分の命にもっと責任を持ちますね。ご心配をおかけして申訳ありませんでした。陛下。」

