「わたしはいじめられていた」

 唐突にそう言ったわたしの言葉に目の前の人物は息を呑んだ。

「そして、わたしはいじめている」

 こう続けたら、全てを悟ったようにわたしを見つめた。

「わたしがこうなったのはね、全部あなたのせい」

 わたしは透明なガラス板の先にいる人物に喋り続ける。
わたしと同じような背格好。
わたしと同じような髪型。
わたしと同じような顔立ち。
わたしと違うのは、、、性格だけ。
そんな人物に微笑みかけた。

「そう。あなたのせいなの。、、、、、わたしがこうなったのはね、あなたがホントのあなたを見つけてくれないから。そうでしょ?」

 冷たい言葉を浴びせる。
と同時に、ポケットの中から折りたたみ式ナイフを取り出した。

「あなたが見つけてくれないから、わたしはあなたをいじめないといけないの」

わたしは静かに首筋にナイフを当てた。