母親のホントの顔を探すゲームをクリアしたあと、俺は次のゲームを見つけようとしていた。
だが、そんな悩みはすぐに無くなった。
すぐにある少女のことが頭に浮かんだから。

家族、友人、先生、知らない人などに対してそれぞれに『ホントの自分』じゃない自分を演じている少女。
俺の幼馴染の、女の子。
幼い頃からずっと一緒だったから、その子が人によって態度を演じ分けていると知っていた。
そしてどの彼女が、ホントの彼女かを、俺は知っていた(、、、、、)
だから、ホントの顔を探すゲームは面白くない。

その時、思いついたのが、
『ホントの顔をわからなくして、人を狂わせるゲーム』
だった。
俺が一から十までなにもかも仕組んで、1人の少女という獲物を狂わせる、ゲーム。

うまく仕組みのピースがはまらなくて作戦に失敗する時。
偶然が面白いように上手くいく時。
たくさんゲームの命運を左右する出来事があった。
ゲームは一方通行で終わらないから、、、面白い。

彼女は俺の前では俺と同じようなことをする。
たぶん、俺の生き方を真似ているのだろう。
しかし、意図してそうしているわけではない。
無意識に、俺の生き方に憧れているんだろう。
だから、俺の生き方の真似をしているのだ。

それを、、、利用した。

『自分の好きなように生きる』
たしかに、俺の生き方だ。
だが、彼女はなにか勘違いしている。

俺は、俺が面白く生きれれば、それでいい。
他人のことは、正直どうでもいい。
俺が、面白く、楽しく生きれれば、それでいいんだ。

人生は、、、ゲームだ。
どうやって、他人を欺き、自分がゲームをクリアできるか、という。

「人生は、、、ゲームだ。そして俺は、そのゲームを思いっきり楽しむ、プレイヤー。あの子はただの、友達という名の、、、獲物」

 冷笑を浮かべながら俺は新たなゲームを考え始めた。