幸せな夢を見ました。
夢の中の私は、誰が見ても幸せそうに笑っていて。なんてことない日常の風景なのに、ただただ笑顔で過ごしている。
目が覚めて、絶望したんです。
幸せな夢を見てしまった罪悪感と、決して叶うことの無い夢の中の出来事。酷く残酷な現実と相まって、絶望したんです。
私は、幸せな夢を見たことが今までありません。いつも見るのは、同じような悪夢ばかり。だから、戸惑ったんです。初めて見る幸せな夢に。悲しくなったんです。手に入ることのない幸せに。
私は、自分の選択を後悔していません。だけど時々、酷く寂しく、悲しくなることがあります。それでも、それを上回る多幸感に、私は溺れているんです。
私の望む未来は、手に入らないことがわかっています。だからこそ、嫌がらせのように夢を見たのでしょう。悲しくはなりました。絶望もしました。けれどそれで『今』を手放せるほど、私は出来た人間ではありません。何だかんだ、幸せだからです。
それ以来、幸せな夢は見ていません。また、同じような悪夢を見続けています。呪いの様な、あの悪夢を。