とても暗くて狭い場所。そこに、小さな女の子が蹲っていた。
その女の子は、目に光がなく、どこか虚ろだった。
『どうして生きているの？』
近づく私に問いかけた。
『なんで"貴方"は笑っていられるの？"私"は、笑えないのに。』
どこか泣きそうな、諦めたような声で彼女は続けた。
『"私"はもう、誰も信じたくない。』
「わかってるよ。全部、わかってる。」
隣に座って、引っ掻き傷だらけの腕を見ながら私は言った。
「今は、それでいいの。生きている意味がわからなくても、本心から笑えなくても。未来で、そんな自分を全部受け止めて、愛してくれる人が見つかるから。」
『嘘はいらない！誰も、"私"を愛してくれる人なんていない！！"私"は、、、』
その先に続く言葉も、知っている。無数にある、自分でつけた引っ掻き傷の虚しさも、誰からも愛されないと泣き叫ぶ気持ちも、諦めきれない気持ちも。
「気休めの言葉は言えない。ただ、ちゃんといるんだよ。未来で、出逢うから。だから、」
それまで頑張って、生きるんだよ。私は、小さな傷だらけの女の子を抱きしめた。