夢を見ていた。
夢の中の私はまだ幼くて、クレヨンで絵を描いている。
家族四人で、仲良く手を繋いでいる絵。
彼女は父親と呼ばれるその人から好かれたくて。
一生懸命に絵を描いていた。
「できた!」
無邪気な私が、ちょうどお風呂からあがった彼に絵を見せに行く。少しの期待を抱いて。
「あのね、」
話しかけた私と絵をちらりとも見ずに、彼は破ってゴミ箱に捨ててしまった。そのまま、何も無かったようにビールを取り出し、飲んでいた。
私は部屋に戻って、自分に言い聞かせる。
"きっと、上手く描けて無かったんだ。次は、見てくれる"
『じゃあ何で、見向きもせずに破られたの?』
髪を胸の辺りまで伸ばした女の子が、幼い私に問いかけた。
『私も、もう気付いているはず。』
首に誰かの手がかかり、力が入る。その瞬間にもがくように目が覚めた。
隣にいた彼が、何も聞かずに頭を撫でて背中を叩いてくれた。
無意識に、首に手をやる。当たり前だが、そこに痛みは無い。
内容は違えど、似たような夢をもう何度も見た。
父親に殺されかけるそれを。
呪いと言えるくらいに、何度も。
夢の中の私はまだ幼くて、クレヨンで絵を描いている。
家族四人で、仲良く手を繋いでいる絵。
彼女は父親と呼ばれるその人から好かれたくて。
一生懸命に絵を描いていた。
「できた!」
無邪気な私が、ちょうどお風呂からあがった彼に絵を見せに行く。少しの期待を抱いて。
「あのね、」
話しかけた私と絵をちらりとも見ずに、彼は破ってゴミ箱に捨ててしまった。そのまま、何も無かったようにビールを取り出し、飲んでいた。
私は部屋に戻って、自分に言い聞かせる。
"きっと、上手く描けて無かったんだ。次は、見てくれる"
『じゃあ何で、見向きもせずに破られたの?』
髪を胸の辺りまで伸ばした女の子が、幼い私に問いかけた。
『私も、もう気付いているはず。』
首に誰かの手がかかり、力が入る。その瞬間にもがくように目が覚めた。
隣にいた彼が、何も聞かずに頭を撫でて背中を叩いてくれた。
無意識に、首に手をやる。当たり前だが、そこに痛みは無い。
内容は違えど、似たような夢をもう何度も見た。
父親に殺されかけるそれを。
呪いと言えるくらいに、何度も。


