物心着く頃から、劣等感の塊だった。
姉は賢く、絵も上手で、よく出来た『いい子』だった。
対して私は要領が悪く、姉ほど賢くもない。
私の劣等感を更に増長させたのは、父親の存在だった。父は、姉を愛して私を嫌った。父に愛されたくて描いた絵を、無言で破り捨てられたこともあった。だから私は、『いい子』になる努力をした。
できるだけ家事を手伝って。絵の練習もして。大嫌いな勉強もした。認められたかった。
そんなことをしても、全て無駄だったのだけれど。
成長して、母や祖母から『貴方はしっかりしてるから。貴方が姉になったつもりで見守ってあげて』と言われるようになった。認められて、でも本当に認めて欲しかった人からは認めてもらえずに。
心の中に、もう1人の私が出来上がるのにそう時間はかからなかった。幼い私の姿をしたそいつは、私が人を信じようとする度に、過去のことを掘り返して諦めさせようとする。また裏切られるぞと。
間違いから生まれたお前を、愛してくれる人なんかいないぞと。
だから私は丸まって耳を塞いで、自分の殻に閉じこもった。
姉は賢く、絵も上手で、よく出来た『いい子』だった。
対して私は要領が悪く、姉ほど賢くもない。
私の劣等感を更に増長させたのは、父親の存在だった。父は、姉を愛して私を嫌った。父に愛されたくて描いた絵を、無言で破り捨てられたこともあった。だから私は、『いい子』になる努力をした。
できるだけ家事を手伝って。絵の練習もして。大嫌いな勉強もした。認められたかった。
そんなことをしても、全て無駄だったのだけれど。
成長して、母や祖母から『貴方はしっかりしてるから。貴方が姉になったつもりで見守ってあげて』と言われるようになった。認められて、でも本当に認めて欲しかった人からは認めてもらえずに。
心の中に、もう1人の私が出来上がるのにそう時間はかからなかった。幼い私の姿をしたそいつは、私が人を信じようとする度に、過去のことを掘り返して諦めさせようとする。また裏切られるぞと。
間違いから生まれたお前を、愛してくれる人なんかいないぞと。
だから私は丸まって耳を塞いで、自分の殻に閉じこもった。

