私の心の底にある疑問や不安を、煽るかのような夢。
首を絞められ、髪を引っ張られ。幼子の首など、大人の男性はすぐへし折ってしまえるだろうに、それをしない。ただただ苦しみを与えられるだけのあの時間の夢。そして、それに私の不安や疑問がのっかる。顔などとうに忘れてしまったのに、あの男の顔が歪むのがわかる。醜く、歪んだ顔。唇から、私の不安と疑問を煽るような言葉が紡がれる。それを違うと否定できないのは、私がそう心のどこかで思っているから。締まる首の感触と、呼吸の圧迫。
藻掻くようにして飛び起きた。最後に時計を見てから、1時間も経過していない。無意識に、首元に手をやる。何年経っても消えない感触。どうしてあの時殺してくれなかったのか。どうして、私を産んだのか。ぼんやりと考えながら、またいつものようにコーヒーを淹れる。あぁ、起きてすぐのこの時間が、一日の中で一番嫌いだ。孤独感に、不安感。ほぼ毎日同じことを繰り返しているのに、慣れることはきっとない。
誰にも言えない、不安と疑問は。いつもの様に見て見ぬふりをした。